バスケットボール女子Wリーグの強豪トヨタ自動車が18日、山形市総合スポーツセンターで公式戦を開催した。チームの指揮を執るのは同市出身の大神雄子ヘッドコーチ(HC)。指導者に転身してから初めての凱旋(がいせん)で、試合前に会場に姿を現すと、観客から大歓声で迎えられた。
大神さんは今年8月に国際バスケットボール連盟(FIBA)から、日本人3人目となる殿堂入りの表彰を受ける快挙を達成。9月には県スポーツ特別賞を授与されている。
大神HCの母校、山形一中女子バスケ部で主将を務める相間すみれさん(14)は「大神さんは憧れの存在」と語ると共に、国内トップ選手が出場する試合を前に「生で見られるのはめったにない。ガードの選手の試合のつくり方を参考にしたい」と目を輝かせた。
試合はトヨタ自動車が84―53で東京羽田を下し、開幕から続く連勝を11に伸ばした。大神HCはベンチの前から守備時の立ち位置などを熱っぽく指示し、チームを勝利に導いた。
父で県バスケットボール協会の大神訓章会長は「選手のプレーしやすさを第一に考えた指揮。選手時代の多彩な経験が生きている」と感慨深げに目を細める。本県バスケ界にとっても意義の大きい開催だったと述べ「日本代表で活躍する選手のプレーを見ることで、地元の子どもたちの目標になる。世界で活躍する選手が続いてほしい」と願った。
大神HCは試合後のあいさつで、観客席に向けて「ただいま」と声を張り上げた。「会場に入った時、『おかえり』とたくさん声をかけてもらい、応えたくなった」と笑顔を見せ、「もらったパワーを胸に、さらに高みを目指していく」と誓った。