インドネシアで開催されているU-17ワールドカップ。
森山佳郎監督率いるU-17日本代表は、2勝1敗の成績でグループステージを突破し、3大会連続のラウンド16進出を果たした。
強敵揃いのグループを見事に抜けた日本。日本時間20日(月)21時から行われるスペイン戦を前に、現在のチームで「決定的な仕事」をしている3名の選手を紹介する。
小杉啓太
2006年3月18日生まれ(17歳)
所属:湘南ベルマーレU-18
まずは、川崎&湘南連合となっているDFラインから。
右から柴田翔太郎(川崎)、本多康太郎(湘南)、土屋櫂大(川崎)、小杉啓太(湘南)と、いずれの選手も好プレーを連発し欠かせない戦力となっているが、「決定的な仕事」という意味では小杉を挙げたい。
6月に開催されたU17アジアカップでは、全試合中2日という殺人的なスケジュールのなか、ただひとり全6試合に先発出場。キャプテンとしてチームを「グループDからの初優勝」に導いた。
今大会も抜群のキャプテンシーに加え、常に憧れの選手だったという長友佑都を彷彿とさせる運動量で、攻守のどの局面でも貢献度の高いプレーを出し続けている。セネガル戦の前半に見せたスーパーカバーなどは圧巻だった。
ラウンド16の相手はグループB1位のスペイン。中2日でしかもバンドンからスラカルタへの移動もある日本に対し、スペインは中3日で移動なし。間違いなくタフさが求められる一戦だからこそ、“鉄人”小杉がどんなプレーを見せるか注目だ。
後藤亘
2006年5月8日生まれ(17歳)
所属:FC東京U-18
続いてはセネガル戦でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた後藤亘。今年のU17アジアカップで最優秀GK賞を受賞した17歳は、ワールドカップの舞台でも驚異的なパフォーマンスを見せている。
1-0で勝利した初戦のポーランド戦、終了間際に迎えた決定機を見事な反応でストップすると、アルゼンチン戦でも1点差を維持するスーパーセーブ。
さらにセネガル戦、0-0の状況だった53分にクレイトン・ディアンディのミドルシュートを鮮やかに阻止してみせた。
コース的に「入った」と思った方も多かったはず…。
FC東京アカデミーと言えば、カタールワールドカップで活躍した権田修一を輩出。後藤も190cmの長身を誇るうえにシュートへの反応も素晴らしく、課題のキックでも成長を見せている。今後が非常に楽しみなタレントだ。
高岡伶颯
2007年3月12日生まれ(16歳)
所属:日章学園高
最後はもちろんこの男。伶颯を「れんと」と読めるサッカーファンも増えてきたに違いない。
U17アジアカップの優勝メンバーであるが、大会MVPに輝いた名和田我空やすでにロアッソ熊本とプロ契約している道脇豊が活躍を見せた一方、高岡は1ゴール。決定機を外す場面のほうが目立ってしまった。
その悔しさを胸に臨んだ今大会、初戦のポーランド戦で70分から出場すると、キックフェイントから魂のこもった豪快シュートでいきなり決勝点を奪取。
先発したアルゼンチン戦では前線で相手を追いかけまわし、日本が反転攻勢に出た後半、50分に柴田のクロスから1点差に迫るゴールを決めてみせた。
そして、押し込まれる展開となったセネガル戦でチームを救う2ゴール。
ここまで日本の全4得点をたたき出しており、ブラジルのカウアン・エリアスと並び得点ランキング首位に立っている、
高岡は大会直前に行われた高校サッカー選手権宮崎県大会決勝でも宮崎日大を相手にハットトリックを達成(チームも6-1で勝利)。ワールドカップでの活躍からこの冬の選手権では大きな注目を集めることになりそうだ。