福井県池田町と岐阜県揖斐川町を結ぶ国道417号冠山峠道路(延長7.8キロ)が11月19日開通し、一般車両に開放された。国道417号の県境付近はこれまで交通不能区間で、代替路の林道も冬期や悪天候時は全面通行止めとなっていた。冠山峠道路の開通によって通年で通行可能となり、関係者は池田中学校で開かれた式典で完成を祝った。
岐阜県大垣市から福井県鯖江市などを経由して南越前町まで結ぶ国道417号。冠山がまたがる県境付近は道路が途絶え、代替路の林道は道幅が狭く冬季は積雪で通行止めになるため、岐阜県と丹南地域との往来は敦賀経由の迂回(うかい)が一般的となっている。
冠山峠道路は2003年度に事業化され、08年度から工事が進められてきた。福井県区間が延長3.7キロ、岐阜県区間が4.1キロ。開通により池田町-揖斐川町間は、北陸自動車道、名神高速道路経由に比べて1時間短縮され、1時間25分で結ばれる。区間のうち両県をまたぐ冠山トンネルが約4.8キロ、岐阜側の塚宮ケ原トンネルが約1.2キロを占める。片側1車線で幅員は7メートル。全体事業費は323億円に上る。
式典には杉本達治知事や杉本博文池田町長、岐阜県の古田肇知事、岡部栄一揖斐川町長ら関係者約170人が出席した。古田知事は「長年の悲願がようやくかなった。冬を前に開通し、本当にうれしく思う。道路を生かしながら交流をどんどん増やしていきたい」とあいさつ。杉本知事は「事業化されてから20年、皆さんの力添えで実現でき感無量」と述べ、丹南地域と岐阜県の西濃地域をつなぐ広域観光の活性化に期待感を示した。
来賓らがテープカットで開通を祝い、通り初めを行った。午後5時から一般車両に開放された。
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