J1鹿島・本山さんの雄姿に歓声 引退試合に1万3000人 茨城・鹿嶋

試合終了後、鹿島サポーターと記念写真を撮る本山雅志さん(中央)=カシマスタジアム

元サッカー日本代表で、J1鹿島アントラーズなどで活躍した本山雅志さん(44)の引退試合が19日、茨城県鹿嶋市神向寺の県立カシマスタジアムで行われた。本山さんの最後の雄姿を見届けようと、1万3千人を超えるサポーターが詰めかけ、鹿島の歴史を彩った名選手の引退を惜しんだ。

本山さんは技術の高さで観客を沸かせた。創造性のあるプレーは健在で、前半14分にはミドルシュートをゴール左に突き刺し、同31分は見事なスルーパスで得点をお膳立て。本山さんが2016年からプレーしたJ3北九州のユニホームで応援した都内の男性(41)は「鹿島でも北九州でも本山選手が出てきた時の期待感は変わらなかった。ボールを持った時に『何をするんだろう』とわくわく感がある選手だった」と懐かしんだ。

誠実な人柄もサポーターの心をつかんだ。サイン入りユニホームで観戦した東京都世田谷区、会社員、松元有美子さん(40)は本山さんの鹿島入団をきっかけに、クラブハウスの練習に訪れたという。「ものすごくフレンドリーで、分け隔てなく接してくれた。ひょうひょうと楽しそうにプレーする姿だけでなく、人としての魅力もあった」と応援し続けている。

本山さんは今季から育成組織のスカウトに就任しており、今後は後進の育成に注力する。鹿嶋市平井の久保優子さん(80)は本山さんが退団した15年の12月5日、クラブハウスを訪れ、サポーターが「ありがとう」など書いたチームの旗をプレゼントしたという。「スカウトとして鹿島に帰ってきてくれたことが一番うれしい」と笑顔を見せ、今後の活躍に期待を寄せた。

© 株式会社茨城新聞社