柔道交流、共に汗かき絆強める タンザニア選手団、長井を訪問

得意の投げ技を披露するタンザニアの柔道選手=長井市武道館

 長井市の東京五輪・パラリンピックのホストタウン相手国・タンザニアの柔道選手団を招いた交流練習会が19日、同市武道館で開かれ、同国選手が地元スポーツ少年団の小中学生らと共に汗を流した。柔道選手団の来訪は4年ぶりで、五輪後では初めて。陸上、野球といった他競技でも交流が続き、五輪を縁に絆を強めている。

 選手団は、順天堂大で長期合宿参加のため8~12月の日程で来日している諸島部・ザンジバルの22~26歳の男子5人。同国とのホストタウン事業で関わりが深い、島岡強ザンジバル柔道連盟名誉会長の仲立ちで、2019年9月以来となる2回目の来訪が実現した。

 練習会は市柔道会(井上照夫会長)が主催し、同会やスポ少の関係者ら約50人が午前と午後に分かれて参加した。選手団は乱取りなどで参加者に胸を貸し、内股や一本背負いといった得意技の披露も行った。長井南中2年保科諒太君(14)は「技もパワーもあり、体幹が強くて崩せない。真剣な姿勢を手本に、自分も強くなりたい」と話した。

 世界選手権東京大会などの出場経験があるアリ・ハミシ・フセイン選手(26)は「柔道は人との関わり方を教えてくれる特別なスポーツだ。子どもたちが今後も競技を続け、柔道を通してたくさんの友達ができることを願う」と語った。

 市は市内で毎年開催される「長井マラソン」に同国の陸上選手を招待し、五輪後も積極的にスポーツによる交流を続けている。昨年秋は市の招きでザンジバルの野球チームが初来日し、地元小中学生らと練習や試合を行い、親睦を深めた。

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