幻想の光景広がる 茂木・鎌倉山で雲海 生き物のように変形

朝日に照らされる鎌倉山周辺の雲海=20日午前6時35分、茂木町九石

 秋が深まり、八溝地域を流れる那珂川沿いを頻繁に川霧が埋める季節となった。栃木県茂木町九石(さざらし)の鎌倉山(216メートル)からは20日早朝、見事な雲海が見られた。22日は二十四節気の「小雪」。

 那珂川の水蒸気が霧となり、鎌倉山展望台からは、普段眼下に見える清流と田園の全てが雲海に沈む幻想的な光景が広がった。

 夜明け前、雲一つない東の空が徐々に色を増し“雲”の上面は、風で生き物のように刻々と形を変えた。日の出時刻を過ぎ、約2キロ先の山の稜線(りょうせん)の陰から陽光が差すと、雲は一気に輝いた。

 カメラを向けた千葉県我孫子市、会社員男性(42)はもう十数回も雲海を見にここへ足を運んでいる。「朝日に向かって開けていて、雲海を見る率も高いのがいい」と満足げだった。

 この日、宇都宮は最低気温が3.7度と冷えた。

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