越前がにの身するり…福井発の究極シーフードフォーク 龍泉刃物などが開発、チタン製でスタイリッシュ

越前がにの身をむくためのシーフードフォーク「グランピーク」
スタイリッシュなデザインが目を引くグランピーク

 越前打刃物製造の龍泉刃物(福井県越前市池ノ上町)は、越前がにの身をむくためのシーフードフォーク「グランピーク」を、県内企業と連携し開発した。チタン製のスタイリッシュなデザインで、刃先の形状やしなり具合、握りやすさなどを追求。「むき心地が癖になる」という究極のカニフォークに仕上がった。12月1日まで、福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス「ミラカナ」で応援購入できる。

 龍泉刃物は、国内外の有名シェフから高い評価を受けるステーキナイフなどカトラリー製品を主力の一つとして展開。料理旅館の望洋楼(同県坂井市)から相談を受け、福井が誇る冬の味覚にふさわしいフォークの開発に共同で着手した。軽量化を目指す試作過程でチタン素材に着目。県内チタン加工関連業者でつくる企業グループ「チタンクリエーター福井」の協力を得て、眼鏡加工の溶接技術などを生かして完成させた。

 約13グラムと軽量で、長さは約22センチ。握りやすいフレーム状のハンドルの両端にフォークとスプーンが付いている。フォークのそり、刃先の厚さと角度は、甲羅や足の形状に合わせて調整。刃先に入れたスリット(切れ目)は、カニ足のすじだけを残して身が取れる長さにこだわった。テーブルに置いた際に先端が触れないよう形も工夫した。

 カニの身は、新鮮で良質なほど殻にくっつきやすいが、チタン素材の弾力性も生かし、「どんなカニでも身がするりとむける」使い心地を実現した。龍泉刃物の増谷浩司会長は「カニ身をむくのに真剣になって会話が減ることもなくなるのでは。カニ好きの人がおいしい食べ方を発見できて、楽しい時間を過ごせる道具にしてもらいたい」と話している。

 和洋いずれの料理にも合うデザインで、サザエのつぼ焼きやキャビアスプーンなどの用途も想定。エビの殻むきなど調理器具としても活用できるという。

 1月中旬ごろからの一般販売を見込んでおり、予定価格は1万9800円。ミラカナに参画するCFサービス「マクアケ」での応援購入(限定250本)は、割引や越前がにとセットのコースなどがある。

 ◇ミラカナとは 福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして福井新聞社、福井銀行、福邦銀行が連携。CFのレディーフォー、応援購入サービスのマクアケいずれかを通じて支援・購入を募る。累計支援額は2億円、プロジェクトの達成率は92%(数字は2023年9月末時点)。

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