富山から訪台可能に 来年1~3月、台北臨時便が決定

富山空港に着陸した中華航空の台北便=今年4月

  ●知事会見「定期便へ着実に進歩」

 富山県は21日、中華航空(チャイナエアライン)が来年1月末~3月末に計画する富山―台北便の臨時運航が承認されたと発表した。今年の春と秋に実施した臨時便はインバウンド(訪日客)のみを対象としていたが、今回は訪日客に加え、富山県民をはじめとする日本国内の旅行者も富山空港からの訪台が可能となる。会見した新田八朗知事は、今年の臨時便の実績を強調。定期便化に向け、「着実に進歩している」と手応えを語った。

  ●日本からの旅行も対象に

 富山―台北便は来年1月31日~3月30日、毎週水曜と土曜日に運航し、計18往復する予定。中華航空が富山空港に運航計画案を提出していた。使用機材は最大157人が搭乗でき、期間中は富山、台北双方から最大2826人の利用が見込まれる。

 富山―台北の定期便は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2020年3月から運休が続いている。一方で感染が落ち着いたことなどから今年に入り、4、5月と9、10月にそれぞれ臨時便が運航。搭乗率は春が94.9%、秋が97.8%と好調だった。

 新田知事は、台北市の地下鉄で富山の主要観光地や食の魅力を紹介する壁面広告を掲示したことや、現地の観光協会と連携したPRを続けてきたと説明。富山から海外を訪れる「アウトバウンド」の需要喚起が課題になっているとし「ここからアウトバウンドの実績をつくり、定期便につなげていきたい」と力を込めた。

 アウトバウンドの需要喚起策として、11月末をめどに、県民のパスポート取得費用の半額を補助する事業の申請受付を開始するとし、「大きな後押しになると期待している」と述べた。

  ●春節に期待感

 1~3月の運航期間中には、春節(旧正月)を迎えることから、新田知事は「多くの人が旅行に出る時期だ」と期待感を示した。ただ、富山を代表する観光路「立山黒部アルペンルート」は冬季閉鎖期間となる。新田知事は食のほか、国宝の勝興寺、瑞龍寺など歴史文化遺産を例に「新たな魅力を打ち出さないといけない」と述べた。

富山―台北便の臨時運航について発表する新田知事=富山県庁

© 株式会社北國新聞社