沿線発展に大きな役割 宇奈月温泉駅開設100周年、式典で住民ら踊り披露

宇奈月温泉駅前で踊りを披露し、駅の節目を祝った式典

 富山地方鉄道の宇奈月温泉駅の開設から21日で100周年を迎え、記念式典が同駅前広場で開かれた。関係者や住民約50人が、沿線の発展に大きな役割を果たしてきた鉄道と駅に感謝した。

 黒部市街から宇奈月温泉への鉄道は、黒部川の電源開発に伴う資材運搬などのために敷設された。当時の名は「黒部鉄道」で、下立駅から桃原駅(現在の宇奈月温泉駅)間は1923(大正12)年11月21日に開通し、同駅と区間の音沢、内山、愛本の各駅が設けられた。宇奈月温泉も、工事従事者の保養などを目的に同じ年に開湯している。

 式典は宇奈月温泉開湯100周年事業実行委員会と宇奈月温泉、内山、音沢の各自治振興会が開催。主催者を代表し、同実行委の河田稔実行委員長が「鉄道ができて多くの人が温泉を訪れられるようになった。歴史の重みを感じながら節目を祝いたい」とあいさつした。

 富山地方鉄道の中田邦彦社長があいさつし、黒部市の上坂展弘副市長、古川和幸市議が祝辞を述べた。アトラクションとして、今年地域で復活させた踊り「宇奈月温泉小唄」と「黒部音頭」を住民らが披露した。

 節目を記念し、宇奈月温泉駅では地鉄や温泉の歴史を紹介した写真とパネルを展示している。100周年の4駅には記念ののぼりを立てている。

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