JR東の赤字地方路線 茨城県関係は3区間24億円 水郡線と鹿島線

JR水郡線列車(資料写真)=大子町西金の西金駅

JR東日本が21日に公表した2022年度の利用者が少ない地方路線で、茨城県関係で対象となったのは、水郡線の常陸大宮以北2区間と鹿島線の1区間で、合計赤字額は24億円だった。21年度からは約1億円改善した。

赤字額は、水郡線の常陸大宮-常陸大子間が最も多い12億3200万円。赤字幅は前年度から5300万円縮小したものの、営業費の13億100万円に対し、運輸収入は6900万円にとどまった。常陸大子-磐城塙間は8900万円悪化して5億3千万円。福島県の区間となる磐城塙-安積永盛間では1億9900万円悪化の10億9100万円だった。

鹿島線は香取-鹿島サッカースタジアム間で5500万円悪化し、6億3800万円の赤字。

1日平均乗客数は、常陸大子-磐城塙間が143人にとどまった。前年度から4人増えたものの、JRが発足した1987年度から82%減と大きく落ち込んでいる。常陸大宮-常陸大子間は50人増の720人。鹿島線は73人増の1085人だった。

水郡線を管轄するJR水戸支社は、赤字額改善や乗客数の増加について、コロナ禍で減った利用者が戻りつつあると説明。同時に、利用促進を喫緊の課題として、自転車を持ち込めるサイクルトレインなど誘客促進策を示し、「沿線住民の理解を求めながら、持続可能な交通形態を構築する」としている。

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