元タカラジェンヌ「分かり合いたいと思い続ける社会を」 LGBT当事者の立場から講演

LGBTへの理解を呼びかけた東小雪さん(木津川市山城町・山城総合文化センター)

 LGBT(性的少数者)をテーマに、元タカラジェンヌの東小雪さんが京都府木津川市山城町の山城総合文化センター(アスピアやましろ)で講演した。LGBT当事者の立場から「人の気持ちを100%理解することはできない。でも、分かり合いたいと思い続ける社会であってほしい」と語った。

 山城・乙訓地域の15市町村などでつくる山城人権ネットワーク推進協議会が主催した。東さんは「LGBTを理解する-日本社会の中でマイノリティーであること」と題して話した。

 東さんは女子高に通っていた16歳のころ、女性に対する恋愛感情に気づいたという。「周囲には絶対に知られてはいけないこととして心に秘めていた」と当時の心境を語った。

 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)を退団し、東京ディズニーシー(千葉県浦安市)で初めての同性結婚式を挙げ、東京都渋谷区で日本初の同性パートナーシップ証明書を取得した。「『紙切れ1枚』に温かさと重みを感じたのと同時に、制度の外側で生きることの寂しさや悲しさも感じた」と振り返った。

 また、LGBTの支援者「ALLY(アライ)」について、「知ることやマイノリティーについて考えることがアライにつながる。理解の輪を広げてほしい」と呼びかけた。

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