野口雨情作詞の校歌熱唱 茨城・土浦小 孫・不二子さんと児童交流

野口不二子さん(左)と校歌などを歌って交流する土浦小の児童たち=土浦市大手町

茨城県北茨城市出身の童謡作家、野口雨情が校歌を作詞した同県土浦市大手町の市立土浦小(鶴田由紀子校長)で21日、雨情の孫・不二子さん(80)を招いた交流会「校歌を歌う会」が開かれた。「童心の詩人」と呼ばれた雨情について、4年生約90人がエピソードを聞き、最後に校歌や「七つの子」「シャボン玉」を熱唱した。

不二子さんによると、雨情作詞の校歌は現在、国内外の13校に残り、県内では土浦小が唯一という。同小の校歌は、雨情と交流のあった赤塚庄三郎校長(当時)の要請で1935年に作ったとされる。

雨情に関して不二子さんは、作詞の時は手を後ろに組み雑記帳を持って現地を3日歩いたことや、宇宙や月への思いの強さなどの逸話を紹介。校歌については「筑波山、桜川、霞ケ浦、亀ケ城(亀城)など、土浦の名所がいくつもある。校章の『たまき』も取り入れている。感動した」と語った。

不二子さんは、「七つの子」は7歳の長男を思って作った作品で、「シャボン玉」は長女を生後1週間で亡くした気持ちを歌に託したと説明。歌詞をかみしめるように児童たちと3曲を歌い上げた。

大塚夕珠さん(9)は「88年前に作詞した雨情さんの思いが伝わってきた。良い思い出になった。これからも校歌を大事に堂々と歌っていきたい」と感想を話した。鶴田校長は「素晴らしい1時間だった。皆さんも大好きな歌を歌い継いで」と児童に語りかけ、感激した様子だった。

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