核兵器廃絶 次世代リーダー育成 12月中旬開始 国連軍縮部、来夏に被爆地訪問

 核兵器廃絶に取り組む次世代リーダーの育成やネットワークづくりを目的に国連軍縮部が創設した「ユース非核リーダー基金」で、同部は21日、第1期のプログラムを12月中旬に始めると明らかにした。来年夏には被爆地・広島、長崎への約1週間の研修旅行を計画している。
 同基金は、岸田文雄首相が昨年8月に表明した、核廃絶に向けた行動計画「ヒロシマ・アクション・プラン」の一環。日本政府が今年3月に1千万ドル(約10億8千万円)を拠出し、国連軍縮部が創設した。
 同部や外務省によると、今年から被爆85年となる2030年にかけ各2年間、計4期に分けて実施する。18歳から29歳までの若者約100人が専門家らによる核軍縮・不拡散・軍備管理に関するオンライン講習に参加。このうち選定された約50人が広島や長崎を訪れ、被爆者との面会や、平和活動に取り組む地元の若者との交流などを通じ被爆の実相に触れる。
 第1期は今年5月から7月末まで募集し、日本を含む150以上の国・地域から2千人を超える応募があった。講習は来年春にかけて実施し、研修旅行に参加する約50人を選定する。
 国連軍縮部は「目的の達成には多様性が最も重要と考えており、多様な国籍や背景を持った人材から応募があった。各コミュニティーで、核兵器のない世界の実現に取り組む新しい世代のリーダーに力を与え、被爆者のレガシー(遺産)の周知、保存に貢献していきたい」としている。

© 株式会社長崎新聞社