人口5万人達成の茨城・阿見町 子育て世帯、目立つ転入 郊外店充実や職住近接

ホームセンターなどが開店した阿見町荒川本郷地区

単独で市制施行できる要件の一つ「人口5万人」を達成した茨城県阿見町は、郊外店の充実や職住近接など住みやすさを背景に少しずつ人口を増やしてきた。中でもJR荒川沖駅に近い荒川本郷地区と、あみプレミアム・アウトレット周辺のよしわら地区では子育て世帯など若年層の転入が目立っており、同町の人口増加をけん引している。

町の常住人口調査によると、これまで4万人台後半で推移していたが、今月1日現在の速報値で5万14人となった。

中でも増加が目立つのは、ここ5年間で約1300人増えた荒川本郷地区と、同約900人増えたよしわら地区の2地区だ。

町などによると、荒川本郷地区はJR荒川沖駅(土浦市)に近いため近隣自治体や都内通勤者にも利便性が高く、電車と車の双方で移動しやすいのが特長。幹線道路沿いにはスーパーやドラッグストアなどロードサイド店も充実しており、10月には大手ホームセンターとスーパーが開店、住みやすさは一層高まると見込まれるという。

町政策企画課によると、同地区は隣接する同県つくば市や牛久市より地価が安く、周辺には内科や産婦人科、私立幼稚園、高齢者向け福祉施設などもあり生活インフラが充実。住宅購入を検討する子育て世代の転入が増える要因となっている。

第1子誕生を契機に同地区に自宅を購入したという水間宗さん(39)は「ホームセンターやスーパーに歩いて行ける距離。同じ保育園に通う子どもたちも近所に多く、住みやすい」と話した。

大型商業施設「あみプレミアム・アウトレット」に近いよしわら地区は、2009年の同施設開業や土地区画整理事業をきっかけに宅地造成などが進んだ。地区内には首都圏中央連絡自動車道(圏央道)阿見東インターチェンジ(IC)もあり、住宅地と大型物流倉庫などの商業用地が混在する。

町が実施したアンケートによると、土浦、つくば、牛久市などから同地区に転入した住民からは「これから発展しそう」「街並みがきれい」など好意的な回答が多数寄せられたという。

同課は「車で生活する人にとって、職住近接は大きなメリット」としており、今後も転入増を見込んでいる。

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