JR烏山線・22年度収支 6億3400万円の赤字 開業100年も、人口減の影響強く

ヒガンバナと共演する烏山線=10月

 JR東日本が21日に公表した利用者が少ない地方路線の22年度の収支で、県内では唯一、烏山線(宝積寺-烏山)が該当し、収支は6億3400万円の赤字だった。

 同社によると、22年度の同線の運輸収入は5900万円。一方、営業費用は6億9300万円で、6億3400万円の赤字だった。

 同線の収支は赤字が続き、19年度が7億円、20年度は5億7千万円、21年度は6億300万円の赤字となっている。

 100円の運輸収入を得るのに必要な営業費用を表す22年度の「営業係数」は1173円。営業費用に対する運輸収入の割合を示す収支率は8.5%だった。

 同社の担当者は「全国のローカル線と同じく、地方の人口減少の影響を受けている」と説明する。

 同線は23年4月、全線開業100年の節目を迎えた。一方、1キロ当たりの1日平均乗客数は、路線の存続が議論される千人未満に迫り、22年度は1120人だった。

 JR東日本大宮支社は8月、烏山線の運転計画の見直しを発表。9月から午後6時時点で大雨により運転を見合わせている場合、終電まで全線の運転を取りやめ運休する対応を取っている。

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