鹿沼でコンニャク芋の収穫大詰め 粘り強く風味豊かな在来種

大詰めを迎えたコンニャク芋の収穫作業

 【鹿沼】コンニャク芋の生産が盛んな市内で収穫が大詰めを迎え、生産農家は丸々と育った芋の掘り起こし作業に追われている。

 入粟野の巻島俊男(まきしまとしお)さん(75)方では、約60アールの畑で主に日本古来の在来種を栽培。在来種は主流の育成品種に比べて粘りが強く風味が豊か。春に種芋を植え、秋に子芋の「生子(きご)」を掘り起こして越冬させ、春先に再度植え付ける作業を3年繰り返して生育させる。

 巻島さんは重さ1.2キロほどに育った3年目の芋を農機具で土から掘り起こし、妻の洋子(ようこ)さん(74)が土を手で丁寧に払っていった。芋は納屋などで乾燥させた後、仲買業者やJAを通じて需要が多い四国などに出荷されるという。

 JAかみつがによると、こんにゃく部会は16軒からなり、今年の栽培面積約11.5ヘクタールのうち約3.7ヘクタールが在来種という。巻島さんは「在来種は栽培に手間はかかるが求める人がいるのでやりがいはある。できる限り作り続けたい」と話した。出荷作業は12月上旬まで続く見込み。

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