理科室に連れ込み、上級生5人が暴力 滋賀の中学校でいじめ「心から深くおわび」

滋賀県野洲市

 滋賀県野洲市教育委員会は、滋賀県野洲市内の中学校で4月下旬に発生した生徒同士のいじめについて、市立小中学校いじめ問題専門委員会が答申したいじめ重大事態調査報告書を公表した。被害生徒は上級生5人からつねられたり転倒させられるなどの暴力を受けており、委員会は、未然防止できなかった対応の甘さを指摘し、再発防止を求めた。

 報告書によると、昼休みに廊下にいた1年の男子生徒に対し、2年の男子生徒2人がほおをつねったりした。さらに別の2年の男子生徒ら4人が、理科室に連れ込んで男子生徒を転倒させ軽く蹴る、つねるなどした。ドアを閉めて鍵をかけ、室内のカーテンを閉めるなどして周囲から見えないようにしたという。理科室には男性教諭がいたが、授業準備をしており生徒たちの暴力に気付かなかったという。

 被害生徒は、加害生徒の一部と小学校時代から交流があったがいじめとみられる記録はなく「計画性はなかった」としている。

 委員会は、学校などのいじめに対する危機意識の低さを指摘。情報の全校共有や見守りに穴を生じさせない学校運営、生徒たちが安心できる場づくりなどに取り組むよう求めている。

 西村健教育長は「被害にあった生徒、保護者に心から深くおわびしたい。子どもたちが安全に安心して学校生活が送れるよう努めたい」と述べた。

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