【離婚】別れる前にチェック!「熟年離婚を決意した人」がやっておくべき準備6つ

一般的に、結婚から20年以上経ってからの離婚を「熟年離婚」といいます。

長年子どものためにと我慢していても、夫の定年などを機に離婚をして新しい生活を手に入れたいと考えている方もいるかもしれません。

しかし、離婚には様々な制度があるため、よく知らないまま離婚してしまうと、自分にとって不利な条件になることも。

そこで今回は離婚を決意したらやっておいたほうがよい準備を紹介します。

熟年離婚を考えているなら…! やっておいたほうがいい6つの準備

1:離婚に関する知識をつける

離婚したいと思う理由は人によって様々。配偶者による不倫やDVなどの場合もあれば、一緒にいるだけでストレスになる、性格の不一致などの場合もあるでしょう。

しかし、勢いに任せて離婚届を出してしまうと、自分にとって不利な条件であることに気づかず、後々生活面や経済面などで「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。

まずは、離婚について本やインターネットなどで調べたり、詳しい人に相談するなどして知識をつけるのがベターです。

また、離婚するメリットやデメリットなど、自分の考えも整理しておくことでブレずに計画を進めることができるでしょう。

離婚に関する手続きをスムーズに、自分にとって有利に進めるためには弁護士に依頼するという方法もあります。

2:離婚する時期を決める

「子どもが独立したら」「夫の定年退職のタイミングで」など、いつ離婚したいのかという目処をたてることも大切です。

たとえば、養育費は子どもが20歳になるまでしか受け取ることができませんし、夫の定年退職以降であれば退職金が財産分与の対象になる可能性があります。

このように離婚する時期によってもらえる金額が違ってくるため、よく検討する必要があります。

また、夫婦が話し合って離婚することを「協議離婚」といいますが、それで成立できなければ「離婚調停」や「離婚裁判」を行うことになります。

調停は平均で半年ほど、裁判は1〜2年ほどの期間がかかるといわれています。

3:不倫やモラハラなどが原因の場合は、証拠を集めておく

不貞行為(浮気・不倫)や、DV・モラハラ、または悪意の遺棄(配偶者に生活費を渡さないなど)のケースでは、相手に慰謝料を請求することが可能です。

慰謝料とは、離婚によって生じた精神的苦痛を慰めるために支払われるお金のことですが、相手がその事実を認めなければ受け取ることが難しくなります。

ですから、これらの事実を裏付けるための証拠を集めておくことが必須。

不倫の場合はホテルなどに入って行くところの写真や、不倫相手と性交渉があることがわかるSNSのやりとりなど、モラハラやDVの場合は暴力や暴言を記録した動画や音声などが証拠として有効とされています。

とはいえ、不倫の証拠を自分で集めることは、とてもつらい作業になるため、調査会社などに依頼するという選択も視野に入れましょう。

また、証拠を集める前に離婚について話し合いを進めてしまうと、相手側も警戒するため証拠が入手しづらくなってしまうので要注意。

4:共有資産をリストアップする

婚姻期間中に築いた財産は、離婚の際に分け合うという制度があります(財産分与)。財産分与の対象となるのは不動産や預貯金、自動車、家財、生命保険など。

離婚より前に退職金が支給されていればこれも対象となります。

専業主婦の場合、「自分は収入がないからもらえないのでは」と思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。財産分与の割合は2分の1が原則となります。

ただし、資産だけではなく、負債(住宅ローンなど)も分与の対象となるので注意が必要です。

財産分与をスムーズに行うには、自分たちの共有資産がどのくらいあるのかを把握しておく必要があります。通帳や保険証券などは写真やコピーを撮っておくのがポイント。

これらのお金は離婚後の生活を大きく左右するものになるため、丁寧に準備しましょう。

5:離婚後の生活に必要な資金を試算する

熟年離婚をすると、一般的に女性の方が経済的に安定しづらくなるというデメリットがあります。そのため離婚後、生活費はどれくらい必要なのかを計算しておくことが大切です。

前項にあるように、離婚に際しては財産分与があるほか、婚姻期間中の保険料納付額に対応する厚生年金を分割し、それぞれ受け取ることができる制度(年金分割)もあります。

それらを踏まえて、自分の生活がやっていけそうか試算してみてください。自分が家を出て行く場合は、賃貸物件を借りるのか、実家に戻るのかによっても費用は大きく異なります。

6:専業主婦であれば、仕事を探す

専業主婦であれば、離婚後の生活を見据えて仕事探しをしておくのも準備の一つ。

まずはパートなどから始めてみるのがおすすめ。定期的な収入があることで、離婚後の生活の見通しも立ち、精神的な支えにもなるはずです。

資格取得のために勉強を始めるのもよいでしょう。

いかがでしたか。

離婚の準備は精神的にも大変なものではありますが、残りの人生をよりよいものにするために一つ一つこなしていくしかありません。弁護士などの専門家にも相談しながら進めてみてください。

(ハピママ*/ 平野 鞠)

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