「脱法大麻」茨城県内も クッキー食べ数人搬送 吐き気や体の震え

茨城県警本部=水戸市笠原町

大麻類似成分を含む「グミ」を食べた人が各地で健康被害を訴える中、茨城県内でも同様の「脱法大麻」製品が販売されている実態が浮かぶ。県警などによると、今年に入って大麻類似成分を含むクッキーを食べて体調不良を訴えた若者が救急搬送された。販売業者は「あくまで合法」と主張するが、国は22日、こうした合成化合物を新たに規制した。

1月以降、クッキーを食べたと話す20代の数人が吐き気や体の震えなど体調不良を訴え救急搬送された。県警によると、クッキーの包装には大麻に含まれる化学物質THCH(テトラヒドロカンナビヘキソール)の記載があり、搬送された人は「合法の大麻関連商品を扱う店で買った」と話したという。

THCHは今年8月、医薬品医療機器法(薬機法)で指定薬物となり、所持や使用、流通が禁止された。数人が救急搬送されたのは規制前だった。

東京都内や大阪府内では法規制対象外だった合成化合物HHCH(ヘキサヒドロカンナビヘキソール)を含むグミなどの製品が販売され、食べた人が体調を崩す例が相次ぐ。

茨城県内でも同様の製品を販売する店が存在。「合法大麻」をうたう商品を扱う店の関係者らは「複数ある」とする。

大麻類似成分を含むクッキーやグミを販売する北関東の店舗関係者は21日、「あくまでも嗜好(しこう)品。規制されるまでは販売したい」と語った。

この店は同様の商品を全国各地で販売する業者から仕入れ、グミ、クッキーとも1袋数千円で販売。客は20代の若い男性が大半という。各地で健康被害を訴える人が相次ぐ中、この関係者は「20歳未満には売らない。利用客には摂取量を守ってもらっている」と主張する。

国は薬機法の指定薬物の対象を広げる。一方で、同店関係者は「規制対象を調べた上、違法にならないよう営業する」と話し、販売を続ける考えを明かした。

県警は使用の危険性を指摘。「成分を確認し、安易に口にしないでほしい」と注意を呼びかけている。

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