三陸応援、カキ小屋から 宮城の団体、きょう23日から村山で出店

23日のオープンを前に、カキ小屋の準備を進める水野智春さん(右)=村山市・ふれあい広場

 東日本大震災の津波で被害を受け、原発事故による風評被害にもさらされた、宮城県沿岸のカキ養殖業者を支援しようと、同県の有志でつくる「三陸活魚貝推進実行委員会」が山形県内各地で期間限定のカキ小屋を設けている。23日からは村山市に出店。原発処理水の海洋放出で、再び苦しい状況となり、東北が誇る海の幸の消費拡大に向け、本県でも協力する動きが広がっている。

 実行委は宮城県内の飲食、建設業など3社で組織し、昨年11月に設立した。実行委員長の水野智春さん(38)=宮城県富谷市=は「東日本大震災以降、宮城の漁業者の後継者不足はさらに深刻化している」と説明する。新型コロナウイルス禍や東京電力福島第1原発の処理水海洋放出も追い打ちとなり、状況は悪化している。「おいしいカキをPRし、漁師を応援したい」と今年3月から東北各地でカキ小屋の出店を始めた。

 石巻、女川両市町の養殖業者の協力を得て、毎朝水揚げしたばかりの新鮮なカキを提供。バーベキュー形式で、来場者が炭火で焼いて味わう。ホタテや肉類など20種類以上のメニューをそろえ、本県では5月以降、山辺町、新庄市で開催。安くて新鮮なカキを堪能できると人気で、新庄市では営業期間を1週間延長した。

 両市町など三陸産のカキは塩味があり、焼いて楽しむには最適だという。水野さんは「一人でも多く味わってもらい、漁業者に喜びの声を届けたい。味わってくれた人の中から漁師を志す人が出てくればうれしい」と話した。

 カキは1皿6、7個入りで660円。村山市での営業は甑葉プラザ向かいのふれあい広場を会場に、来月10日まで。営業時間は午前11時半から午後9時。予約は実行委080(3147)0201。

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