【タイ】首相「経済は危機的、大規模な刺激策必要」[経済]

タイのセーター首相は23日、国内経済について「危機的な状況」であるとの見方を示した。景気の浮揚に向けて、政府が準備を進めているデジタル通貨1万バーツ(約4万2,000円)配布の重要性を改めて強調した。ロイター通信が伝えた。

今年1月から11月19日までにタイを訪れた外国人旅行者は2,385万人で、政府が掲げている目標である年間2,800万人の達成が難しい状況となった。観光客による支出額は1兆バーツ。セーター氏は向こう4年間で平均5%の経済成長を目指す考えを示しているが、今年1~9月の成長率は1.9%にとどまっている。

セーター氏は23日に出席したフォーラムで、「外国人旅行者数が目標を下回っており、外国投資の誘致や家計債務の問題に取り組むことが優先事項だ」と発言。家計債務の対策については、12月12日に詳細を発表するという。

中銀は9月に開いた金融政策委員会(MPC)で政策金利(翌日物レポ金利)を0.25%引き上げ2.50%とすることを決定。過去10年で最高の利率となった。次回の会合は29日に予定されている。

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