感染すると肺炎「レジオネラ属菌」…健康な人でもリスク 家庭のお風呂でも感染可能性

 今年、福井県内外の入浴施設で基準値を大幅に超えるレジオネラ属菌が検出されたと度々ニュースになった。菌に感染すると、主にレジオネラ肺炎を引き起こす。公衆浴場だけでなく、家庭のお風呂でも感染リスクがあり、県立病院(福井市)呼吸器内科の小嶋徹医師は「患者は少なく過度に恐れる必要はないが、適切な管理を怠ると家庭でも感染する可能性があることを知ってほしい」と話す。

重症化しやすい

 レジオネラ属菌は、土壌や河川、温泉など自然界に広く生息している細菌で、厚生労働省のホームページによると約60種類が知られている。そのうち肺炎を引き起こす代表的な種類がレジオネラ・ニューモフィラ。汚染された水のしぶきを吸い込み、気管支や肺に入ると感染する。ヒトからヒトへは感染しない。

 レジオネラ肺炎の症状は、せきや高熱、倦怠(けんたい)感、関節痛など。通常の肺炎と異なり、意識がぼんやりしたり下痢をしたりするケースがある。また、小嶋医師は「通常の肺炎より進行が早く、重症化しやすい」と説明。適切な治療がされなかった場合は命に関わるケースがある。

 免疫力が低下する高齢者だけでなく、健康な人でも感染するリスクがあるという。レジオネラ肺炎に有効な抗生物質で治療する。重症化しやすいため、入院治療が基本。治療を受ければ回復するという。

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