県外志願者募集の県立高9校に 24年度入試、活動活性化も期待

 2024年度入試から、県外からの志願者を募集する県立高校が3校増える。これまでの6校に加え、新たに村山産業(農業科、工業科、商業科)、高畠(総合学科)、庄内農業(農業科)が募集を開始する。受け入れは定員の充足率向上を目的としているが、県教委は学校活動の活性化も期待している。

 23年度入試で県外志願者を募集したのは小規模校4校(小国、遊佐、新庄北最上校、新庄南金山校)と、県内唯一の学科である山形北音楽科、加茂水産水産科。県高校教育課によると、23年度入試の県外志願者は計18人だった。

 県教委はその後、県外志願者の募集要綱を変更した。小規模校に加えて「定員に対する合格者が3年連続で8割を下回っている学校・学科」で募集可能とし、村山産業、高畠、庄内農業が加わった。

 要件をさらに緩和する議論も進んでいる。先日の入試方法改善検討委員会では「定員に対する合格者数が2連続で9割を下回っている学校・学科」で募集可能とする案が示された。県教委によると、小規模校を含めた34校40学科が対象になるという。しかし、実際に募集を行うには、生徒の住まいなど環境整備が必要だ。地元自治体などの支援、学校と地域の連携が欠かせない。

 県外の生徒を受け入れることで新たな学びや交流も生まれている。小国高では人間関係が固定化されがちな地元の生徒が、首都圏出身の生徒らに触れることで多様な価値観を知ることにつながったという。今年3月に遊佐高を卒業した名古屋市出身の2人は東北公益文科大に進学した。県外から若者を呼び込み、定着を図る取り組みとして期待されている。

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