「小嶋総本店」など12件、文化財へ 国文化審答申、県内登録208件に

酒蔵「小嶋総本店」の店舗兼主屋の外観=米沢市本町2丁目

 国の文化審議会が24日開かれ、県内では、米沢市本町2丁目の酒蔵「小嶋総本店」の店舗兼主屋など12件を登録有形文化財(建造物)とするよう盛山正仁文部科学相に答申した。答申通り告示されれば、県内の登録数は208件となる。

 12件は店舗兼主屋のほか▽蔵(一~五号)▽倉庫▽土蔵▽作業場▽三日月稲生社(いなりしゃ)本殿▽門および板塀▽北板塀。米沢市教育委員会などによると、店舗兼主屋は1919(大正8)年の米沢大火の直後に建てられ、増築や改修を経て、現在も店舗として営業するほか住人が居住。間口が広い近代和風建築で、門や板塀とともに旧米沢城下の歴史的な景観を演出している。

 醸造や商品出荷用の一~五号蔵は江戸末期から大正にかけて建設され、このうち一号蔵は、屋根裏に「小舞(こまい)」と呼ばれる格子状の構造が目視で確認できるほか、白漆喰(しっくい)塗の外壁に赤瓦の海鼠(なまこ)壁が施されている。土蔵は丁寧に造作された文庫蔵で、三日月稲生本殿は小規模ながら質実な造りとなっている。

 登録有形文化財は建築後50年を経過した歴史的建造物のうち、一定の評価を得たものが登録される。

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