城端あっての作品 「true tears」西村監督、堀川社長がトーク

制作当時を振り返る西村監督(左)と堀川社長=南砺市クリエイタープラザ桜クリエ

  ●南砺・桜クリエで「15年の真心の軌跡」展

 「富山新聞アニメEXPO(エキスポ)」の一環として開催中の展覧会「true tears(トゥルー・ティアーズ) 15年の真心の軌跡~富山で生まれ、富山で育まれたアニメ作品~」(富山新聞社主催)のギャラリートークは25日、展覧会場の南砺市クリエイタープラザ桜クリエで開かれた。監督とプロデューサーが制作当時の心境などを語り、訪れたファンは作品の舞台モデルとなった南砺市城端地域あっての作品であることを改めて感じ取った。

  ●ピーエーワークス制作

 「true tears」は、南砺市城端で設立されたアニメ制作会社ピーエーワークスの出世作で、放送15周年を迎えた。ギャラリートークでは、西村純二監督と、プロデューサーを務めた堀川憲司社長が登壇した。

  ●無意識に文化描く

 作品では北陸特有の風土や、城端曳山祭と城端むぎや祭をモチーフにした「麦端祭り」が丁寧に描かれている。堀川社長は制作当時は意識していなかったとした上で、「true tears」について「文化を描きたいと無意識で思っていたのだろう」と振り返った。映画には撮影当時の様子を記録する役割があるとし「アニメもその役割が担える」との考えを示した。

 西村監督は、劇中で登場人物が通う学校のモデルとなった城端中をロケハンしたエピソードを披露。校舎や周りの風景を見た時に「登場人物たちの学校生活が思い浮かんだ」と明かした。作品では、城端の街並みや公営住宅が背景美術のモデルとなっている。

 東京から訪れた医師の平岡修さん(30)は「作品と城端の密接な関わりを知った。制作側にも大事にされている作品だと感じた」と話した。

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