うっとり、ハクチョウの姿 鶴岡の長岡さん初企画、市民向け観察会

紅葉の木々をバックに羽ばたくハクチョウ=鶴岡市・大山下池

 水鳥の生息地として知られるラムサール条約登録湿地「大山上池・下池」(鶴岡市)で22日早朝、ハクチョウの観察会が開かれた。ハクチョウをこよなく愛する長岡太郎さん(36)=同市稲生2丁目、会社員=が市民向けに初めて企画し、家族連れなど約30人が雄大な光景に見入った。参加者の反応は上々で、長岡さんは「今後も地元の魅力を伝えたい」と話す。

 まちづくり会社「ヤマガタデザイン」(鶴岡市)の街づくり推進室長を務めている長岡さんは、8年前からハクチョウを見るために大山上池・下池に足を運んでいる。朝日を浴びて黄金色に輝く姿、力強く羽ばたく様子に「パワーをもらえる」。友人知人だけではなく、市内にある同社の「ショウナイホテルスイデンテラス」の宿泊者も案内してきた。

 今回はさらに多くの人に魅力を伝えようと、交流サイト(SNS)でも参加者を募った。近くの自然学習交流館「ほとりあ」を運営する庄内自然博物園構想推進協議会からも協力を得て野外用ペレットストーブやお菓子、飲み物を用意した。

 22日は午前6時10分ごろから下池で観察した。今シーズンは10月6日に初飛来が確認され、現在は約3千羽ほど。参加者は湖の上を旋回しながら落ち穂拾いに飛び立つ様子を間近で見学し「幻想的だ」「感動する」と見入っていた。

 初めて訪れた朝暘二小4年斎藤芽莉沙さん(10)は「朝日が当たった紅葉とハクチョウがきれいだった。この光景が見られる環境を守りたいと思った」と感激した様子。長岡さんは今後、ハクチョウ観察を盛り込んだ宿泊プランも検討しているといい「ハクチョウがいることは知っていても訪れたことがない人が多い。市民に親しまれ、観光客にも愛される体験観光にしていきたい」と話している。

参加者とともに記念撮影する長岡太郎さん(後列の左から4番目)=鶴岡市・大山下池

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