夫婦の長年の夢実現「安心して集まる店に」 焼きそば店「阿吽」(山形)・阪さん

二人三脚で焼きそば店「阿吽」を切り盛りする阪英人さん(左)、幹さん夫妻。あうんの呼吸で役割分担し、地域住民が集う店を目指す=山形市荒楯町1丁目

 山形市荒楯町1丁目に今夏、阪英人(ばんひでひと)さん(64)、幹さん(64)夫妻が営む焼きそば店「阿吽(あうん)」がオープンした。阪さんは調理の経験を生かし、長年温めた夢を夫婦で実現させた。2人の“あうん”の呼吸で店を切り盛りし、「地域のみんなが集まる場所」を目指して、今日ものれんを掲げる。

 阪さんは大手スーパーのヤマザワ(同市)に44年間勤務した。65歳を前に、若い頃から温め続けた飲食店開店の夢をかなえることを決意し、今年3月に退職すると開店準備を進めた。ヤマザワ入社直後、店舗内食堂に配属され、調理経験が豊富な焼きそばを看板メニューにした。

 数々の麺を試食した結果、新潟県の製麺所から仕入れる蒸し麺を使用。太麺と細麺が選べ、数種類をブレンドしたソースで独特の味と香りを引き出す。モチモチの食感が特徴で、豚肉やキャベツなど他の具材も味を引き立てている。ソース焼きそばを中華風スープにひたして味わう「つゆ焼きそば」もある。

 開店に向けた改装には多くの友人からの支援を受けた。「友人の支えがなければオープンできなかった。とても感謝している」と阪さん夫妻。注文状況や混雑具合を見て、声を掛け合わなくても自然と役割分担して動き、2人の息はぴったりだ。既に固定客がおり、近所の人や学生が気軽に立ち寄れる店を目指しているという。阪さんは「みんなが安心して集まり、会える店にしたい」と話した。

【メモ】 価格は焼きそばが700円、つゆ焼きそばが800円。じっくり煮込んだブラックカレー(750円)も人気。営業時間は午前11時半~午後6時(11~3月、それ以外の時期は午後7時まで)。テイクアウト可能な商品もある。定休日は毎週水曜と木曜で、来年1月から木曜と日曜になる。詳細は店のインスタグラムで紹介している。

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