長崎県ボクシング連盟 広告掲示で運営費を確保 今月、初の試みで手ごたえ 選手らの負担軽減へ

協賛広告が掲示されたリングで熱戦を繰り広げる選手たち=諫早市小野体育館

 ボクシングの全九州高校新人大会(九州ボクシング連盟主催、九州高体連共催)が17~19日、長崎県の諫早市小野体育館であった。主管する県ボクシング連盟(杉本一成会長)は約150万円の大会運営費を確保するために、今回初めてリング側面に掲示する協賛広告を募ったところ、目標を上回る額が集まった。率先して動いた杉本会長は「おかげさまで運営費を十分賄えた。ありがたい。プロの大会では見るが、アマチュアではおそらく全国で初めてではないか」と感謝を口にしている。
 全九州新人大会は各県持ち回りで、8年に1度開催地となる。日程は開会式から4日間。今回は試合用のグローブとヘッドギア計16組の購入費をはじめ、各県から集まる審判団の宿泊費、補助員の弁当代など約150万円が必要だった。
 県連盟は会員21人の小所帯。これまでもプログラム冊子に掲載する協賛広告などを集めて大会運営費に充てていたが、自腹を切るケースも少なくなかった。杉本会長が「どうすれば運営費を集められるのか」と考え、思いついたのが協賛広告の掲示だった。
 「プロのリングには広告がある。アマチュアは駄目なのか」。そんな疑問を持って、上部団体の日本ボクシング連盟に確認したところ、許可が出た。杉本会長や会員らが6月ごろから県内の企業に頭を下げて回り、協賛広告を集めた。プログラム広告44社・団体、Tシャツ販売なども含め、目標額を上回る170万円超を確保した。
 今回リング下の協賛広告は1メートル×1メートル、1メートル×50センチ、50センチ×50センチの3種類。観客席側に「第一生命」など13社・団体の広告が並んだ。リング下のスペースが足りず、会場の壁にも4社が掲示した。
 高校生や保護者への負担がないようにという思いからスタートして、持続可能な団体運営へ一つのモデルケースを示したとも言える今回の取り組み。杉本会長は「もっともっと増やしていきたい。広告を出してくれる応援団を増やすことで、競技人口の拡大にもつながるのではないか。ボクシングに限らず、他のマイナースポーツも大いにやってみたらどうだろうか」と提案している。

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