地元で働く技能実習生ら 住民へ感謝のスピーチ 五島・山内特産物祭り「ごろっと」 長崎

スピーチするワインさん(左)とトゥさん=五島市、旧市立山内小

 長崎県五島市岐宿町の旧市立山内小で23日にあった特産物祭り「ごろっと」では、地元で暮らす外国人技能実習生によるスピーチイベントがあり、ミャンマー人2人が五島での暮らしや地域の人たちへの感謝を語った。
 2人はトゥ・ミャッ・トゥエさん(24)とワイン・ティン・ザーアウンさん(22)。いずれも7月に五島を訪れ、地元のデイサービスセンターやまうちで介護業務に携わっている。
 同国の伝統衣装「ロンジー」を着た2人は約4分ずつスピーチ。トゥさんは「ミャンマーでは大好きな自然の中で野菜を育てていた。五島に来る時は不安もあったが、自然豊かでミャンマーと似た景色で安心した」と述懐。「介護の勉強は難しいが、職員さんと一緒に頑張っている。これからも一生懸命頑張る」と述べた。
 ワインさんは「(住民らが)優しく声をかけてくれ、あいさつすると笑顔で『頑張ってね』といつも応援してくれる。その優しさにどれほど心が温かくなったか」と感謝。「これからも日本の文化を勉強し、たくさんの人と交流したい」と力強く語った。
 二人は「五島に来て良かった。幸せを感じている」と口をそろえ、来場者から温かい拍手が送られた。町内の別の福祉施設の実習生と同国の踊りも披露した。
 スピーチイベントは、岐宿まちづくり協議会(松下明会長)が昨年度開いた介護の講演会を機に開催。話題に上った外国人技能実習生について「もっと知りたい」と参加者アンケートで意見が上がったため、住民との交流を計画。関係者と協議を重ねて実現し、祭りに合わせて開いた。松下会長は「まちの人たちと外国人のつながりを大切にし、触れ合ってもらいたい」と語った。

© 株式会社長崎新聞社