認知症支援へチームオレンジ始動 北上の専門学校、施設と連携

お年寄りと会話するチームオレンジすまいるの高橋真波さん

 岩手県北上市の専大北上福祉教育専門学校(六本木郁子校長、学生169人)と介護施設が連携し、認知症の当事者や家族を支える「チームオレンジ」が始動した。厚生労働省が2025年までに全市町村への設置を目指しており、サポーター講座を受講した学生らが「本人の思いをじっくり聞き取る」傾聴活動からスタート。生活の悩みや支援ニーズを掘り起こし、社会参加につなげていく。

 「キノコの場所は採られるから教えられね」「おふくろを助けて畑も田んぼもやった」。同市鬼柳町の小規模多機能ホームおにやなぎ(水上賢一管理者)を17、24の両日訪れた福祉介護科2年生に、利用者が思い出を語り始めた。

 普段はケアに忙しい施設職員も「久しぶりにいい表情を見ることができました」と感謝。介護分野に就職を予定する高橋真波さんは「だんだんと笑顔で話してくれるようになって、距離を縮めることができた」と経験を積んだ。

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