【中国】独VW、中国でエントリーモデルの開発強化[車両]

ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は24日、中国法人の大衆汽車(中国)科技が電動車のプラットフォームづくりを強化すると発表した。エントリーモデルのプラットフォームを3年以内に中国市場に投入する計画だ。幅広い層の電動車需要に応える。

第一財経日報(電子版)によると、小型車(A級)の市場が今後伸びるとみて、A級向けプラットフォーム採用の電動車を4車種投入する考え。14万~17万元(約290万~355万円)の価格帯向けに開発する。

中国の新興「新エネルギー車(NEV)」メーカーの広州小鵬汽車科技(Xpeng)と提携して開発する電動車は、A級よりサイズが大きいB級とする。A級と同じく2026年までに投入する。VWは今年7月、小鵬汽車の約5%株を取得し、VWブランドの電動車2車種を共同開発すると発表していた。

大衆汽車(中国)科技は安徽省合肥市に本社を置き、自動車部品の研究開発(R&D)を手がける。VWにとって海外最大のR&D拠点。来年1月に稼働する予定。既にR&D人員を約1,200人確保しており、来年末までに3,000人以上に増員する方針だ。

VWは合肥市での投資を強めており、今月21日には合肥市の車載電池システム工場が稼働。VWが単独出資で中国に初めて設けた電池工場で、製品は隣接するVWの電気自動車(EV)工場向けに供給する。EV工場は中国自動車メーカーの安徽江淮汽車集団控股(JAC)との合弁EVメーカー、大衆汽車(安徽)(旧江淮大衆汽車)が運営し、年産能力は最大35万台。VWのEV専用の車体「MEB」を採用するEVを生産し、年内に稼働する予定だ。

VWは、30年までに中国でEVを30車種投入する計画。

■NEV比率75%へ

VWの幹部は、中国乗用車市場の23年の新車販売が2,110万台、25年が2,480万台、30年が2,850万台になるとそれぞれ予測。乗用車販売に占めるNEVの割合は25年に50%を超え、30年に75%に到達するとみている。

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