【マレーシア】プロトン、来年にEV最大1千台受注目指す[車両]

プロトン・ホールディングスが投入したEV「スマート・ハッシュタグ・ワン(#1)」のフラッグシップモデル「ブラバス(BRABUS)」=21日、クアラルンプール(NNA撮影)

マレーシアの国民車メーカー、プロトン・ホールディングスの電気自動車(EV)販売子会社プロトン・ニュー・エナジー・テクノロジー(PRO—NET)は、21日に正式発表した同社初の電気自動車(EV)「スマート・ハッシュタグ・ワン(#1)」について、来年に800~1,000台の受注を目指す。

PRO—NETのザン・キアン最高経営責任者(CEO)が21日の発表会後に記者会見で明らかにしたところによると、これまでに500台以上の予約を受け付けた。このうちフラッグシップモデルの「ブラバス(BRABUS)」(24万9,000リンギ=約790万円)が約6割を占める。第1陣となる約300台が製造拠点の中国から到着済みで、納車までに要する期間は1~2カ月という。

ザン氏は、「今年の新車販売台数(市場総需要量=TIV)に占めるEVの割合は1.3%になると見ている」とコメント。この状況を踏まえて、来年のスマート#1の販売目標を800~1,000台に設定し、国内のEV市場でシェア10%を目指すとした。

「スマート」ブランドのEVは、プロトンに出資する中国の自動車大手、浙江吉利控股集団とメルセデス・ベンツが折半出資する智馬達汽車(スマート・オートモービル)が製造を手がける。プロトンは21日、PRO—NETを通じて、1モデル目となるスマート#1を正式に発表した。「プロ」、「プレミアム」、フラッグシップの「ブラバス(BRABUS)」の3グレードを展開する。

■現地生産を早期実現へ

現在は中国から輸入した完成車(CBU)を販売しているが、プロトンとスマート・オートモービルは今年9月、マレーシアでの現地生産の検討に関する覚書を締結。プロトンがペラ州タンジュンマリムで操業する工場での組み立て生産の実現可能性を調査することで合意した。

プロトンのリ・チュンロン最高経営責任者(CEO)は、「できるだけ早く(タンジュンマリム工場で)EVの組み立て生産を開始したい」と意気込んだ。

同社のロスラン・アブドラ副最高経営責任者(CEO)は、部品を輸入して現地で組み立てる完全ノックダウン(CKD)方式で生産した車両の輸入については、各国で規制が異なるとした上で、「タンジュンマリム工場で組み立て生産したEVは輸出する可能性もある」と述べた。

※関連記事:「国民車プロトン、EV初投入:東南ア初の『スマート』ブランド」<https://www.nna.jp/news/2594103

© 株式会社NNA