町会が赤ちゃんに祝い金 七尾・田鶴浜、地域の宝誕生歓迎

円山町会長(左)から祝い金を受け取る遠藤さん家族=七尾市田鶴浜町

  ●絆強めるきっかけに

 七尾市田鶴浜町会は同町会内で生まれた赤ちゃんに現金1万円を贈る独自の制度を設け、26日に第1号となる家族に贈呈した。子育て支援や定住促進を目的に新生児祝い金制度を設ける自治体が増える中、町会が支援金を用意するのは県内で珍しい。同町会内の出生数は50年前の約10分の1に減っており、町会を挙げて「地域の宝」の誕生を歓迎し、住民の絆を強めていく。

 祝い金は町会費から捻出し、4月1日以降に生まれた新生児1人につき1万円を贈る。七尾市町会連合会によると、市内では初めての取り組みとなる。

 田鶴浜町会は旧田鶴浜町の一部の10町内会で組織し、10月末現在で654世帯1696人が住む。少子化が顕著で、50年前に100人を超えていた出生数は10人台で推移。今年は2人のみとなっている。高齢化も進む中、今年度の役員会で子育て世帯を応援する仕組みを求める声が上がり、全員が賛成して祝い金制度の創設を決めた。

 初の贈呈世帯となったのは、8月28日に長女和(なごみ)ちゃんが生まれた教員遠藤祐介さん(33)、栞さん(31)夫妻。同町の健康福祉プラザ「さつき苑」で行われた贈呈式で祝い金を受け取った祐介さんは「地元には子どもが少ない。子育て世帯の助けになる」と感謝した。円山賢一町会長(72)は「若者世帯と町会との絆を強めるきっかけにもなってほしい」と期待した。

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