犯罪被害者遺族の加藤さん 長崎で講演 「自分事として捉えて」

犯罪被害者支援の必要性を訴える加藤さん=長崎市尾上町、出島メッセ長崎

 犯罪被害者週間(25日~12月1日)に合わせ、娘を犯罪で奪われた加藤裕司さん(70)=岡山市=が26日、長崎市内で講演し「たくさんの被害者遺族の思いを聞き、自分事として捉えてほしい」と支援を訴えた。
 加藤さんの長女、みささん=当時(27)=は2011年9月30日、勤務先の倉庫で元同僚の男に不同意性交され殺害された。「今でも被害者側は心を痛めている」と思いを吐露した。
 「娘は胸を刺された時、何を思ったのだろうか。お父さん助けて、と思っていたならやりきれない」。加藤さんは、凶悪事件に関する判例や書物を読みあさって裁判に臨み、証言台にも立った。男は死刑判決を受け17年に執行された。
 現在は「被害者サポートセンターおかやま」の代表理事として被害者家族の支援などに努めている。「いつ自分の家族や自身に被害が及ぶか、ひとごとではない」と語気を強めた。
 講演会は県や県警、長崎犯罪被害者支援センターが主催。市民ら約100人が聴講した。

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