福井県クルマに頼り過ぎない社会づくり推進県民会議が募集していた電車やバスにまつわる心温まる「幸福エピソード」の入賞作品が決まった。児童・生徒の部は河村莉歩さん(若狭町・小学1年)、一般の部は杉本歩さん(福井市)が大賞に選ばれた。
県や県内17市町、交通事業者など55団体でつくる同県民会議が、公共交通に愛着を持ってもらおうと本年度初めて企画した。7~9月の募集期間に223件の応募があり、都市・交通計画が専門の福井大学の川本義海教授、紀行文ライターの蜂谷あす美さん(福井市出身)らが審査に当たった。
河村さんの作品は、JR小浜線のそばにある保育園に通っていた頃のエピソード。園庭で遊んでいると運転士がミュージックホーンを鳴らしてくれてうれしかったという思い出を記し「うんてんしさんは、みんなやさしいです」とつづった。
杉本さんの作品は、約10年前にバスに乗った際の出来事で、2歳の子どもが泣き出しおろおろしていると、運転手が優しい言葉をかけてくれ、眺めの良い一番前の席に移動させてくれたと振り返り「子育てを励まされているような気持ちになった」と心遣いに感謝した。
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25日に坂井市の県教育総合研究所で表彰式があり、審査員を代表し蜂谷さんが「鉄道やバスに乗った経験の数だけ思い出がある。安心安全な運転を担う人たちに感謝するきっかけにもなったのでは」などと述べた。
入賞作品は県内の鉄道やバスの車内に掲示する。