警察官の身分名乗り被害者安心させたか 京都府警警部補300万円窃盗容疑で再逮捕 

京都府警本部

 京都府警の捜査員が職務で訪れた民家から現金を盗んだとされる事件で、別の民家からも多額の現金を盗んだとして、府警捜査3課は11月27日、窃盗の疑いで、京都府城陽市の府警捜査2課警部補の男(57)=窃盗罪で起訴=を再逮捕した。

 再逮捕容疑は、伏見署刑事課に勤務していた2020年10月14日~11月28日ごろ、京都市伏見区の女性(87)宅から現金300万円を盗んだ疑い。「盗んだことに間違いありません」と容疑を認めているという。

 府警によると、警部補は、金融機関が伏見署に通報した女性が高額な現金を引き出そうとしている旨の情報を職務で知った上で悪用し、女性宅を訪れたとみられるという。府警は、警部補が警察官の身分を女性に伝えて信用させていた可能性もあるとみている。

 警部補は19年7月、変死事案の捜査中に伏見区の遺族のパート女性(61)宅で、亡くなった人が所有していた現金約10万円と腕時計(約1万円相当)を盗んだとして、今月16日に窃盗容疑で逮捕された。宇治市の商業施設で商品を万引したとする窃盗容疑でも今年8月に書類送検されている。

 捜査関係者によると、これまでの任意の調べに対し「捜査費を不正流用したこともある」との趣旨の説明もしており、府警は余罪があるとみて調べている。

 森功治首席監察官は「府民の信頼を著しく損ねる事案で、被害者や関係者、府民のみなさまにおわび申し上げる。今後の捜査結果を踏まえ、厳正に対処する」と述べた。

© 株式会社京都新聞社