「最高の雰囲気だった」“ラストゲーム”見届けた森保監督 「思い出すべてが人生の宝」スタジアムには全国からサポーターが駆けつけ エディオンスタジアム“最後の1日”

エディオンスタジアム(広島市安佐南区)での最後の試合となった25日、視察で訪れていたサッカー日本代表・森保一監督がスタジアムへの思いを語りました。

「最高の雰囲気だったと思いますね。やはりサポータの力は大きい」。日本代表監督として視察していたサンフレッチェOBの森保一監督はこうふり返りました。この「最高の雰囲気」を作るため、朝からサポーターたちはスタジアムに向かっていました。

小林康秀キャスター
「エディオンスタジアムに向かうシャトルバスの発着点、横川駅(広島市西区)に来ました。既にシャトルバスは数多く来ているんですがそのバスに乗ろうと多くのサポーターの皆さんが列を作っています。およそ300メートル地点、このあたりが最後尾という事になっています」

エディオンスタジアムへのシャトルバスもこの日が最後となります。バスを待つ列には、選手のサインがたくさん書かれた帽子を兜のようにしている子どものサポーターの姿も。

多くのサポーターはどんな思いで、この日を迎えたのでしょうか?

Qきょうはどんな気持ちで来ましたか?
「きょうはエディオンスタジアム最後なんで寂しいような感じしますし、でも新しいスタジアムがはじまるのでうれしい気持ちもします」

県外からのサポータもいました。
埼玉からきたサポーター
「もともと森保さんが好きで森保監督の選手時代から好きだったので、その流れで応援サンフレッチェにしています」

バスは、いつもの倍近く40台以上で運行していたということです。

エディオンスタジアムには、開場を待ちわびるサポーターが列を作っていました。

小林キャスター
「エディオンスタジアムにやってきました。ここは最後だからこそ思わず写真撮りたくなりますよね多くの皆さんがカメラを構えています」

サポーター
「寂しい気持ちもあるけど、今は後押しするために、選手とスタジアムに感謝の気持ちで応援したいです」

小林キャスター
「バックスタンドには、上の方までお客さんが入っています。このエディオンスタジアムの良さは何と言ってもビッグゲームでもお客さんを許容できるキャパシティの大きさです。そして大歓声があっても、この大屋根から声が響き渡って包み込むようなこの一体感。さあどんな試合を見せてくれるんでしょう」

観客動員が落ち込んだ日々も 森保監督「皆さんが喜んでもらえるよういに胸に刻んで戦っていた」

試合がはじまると選手の1プレー1プレーに埋め尽くしたサポーターからの歓声が沸き上がりました。そしてサンフレッチェは早い時間から得点をあげ、スタンドはさらに盛り上がりました。

試合の様子を見つめていた日本代表の森保監督は…。
森保一監督
「最高の雰囲気だったと思いますね。サポーターの皆さんが作り出す雰囲気が選手たちの躍動につながった」

森保監督にとってエディオンスタジアムとは?

森保監督
「すべてが人生の宝になる思い出になると思います。プレーヤーとしては、1994年のチャンピオンシップを戦えたことは、悔しい思い出として。そして監督としては2012年のJリーグ初優勝した。素晴らしい思い出になったなと思っています」

その2つの思い出の狭間で、観客動員が4~5千人台に落ち込んだ時にはこのままアマチュアに戻るのではという危機感があったといいます。

森保監督
「少しでもファンの皆さんが喜んで下さるように努力していかないといけないという思いも、胸に刻んで戦いに挑んでいたことを覚えている」

そして新サッカースタジアムへ 署名活動 欧州への視察も 「素晴らしいスタジアムが出来ている」

少しずつ広島の街の文化にサッカーが浸透したと実感していく中で、初優勝を経験したその年、サッカースタジアム建設に向けた署名活動にも関わりました。

さらに森保監督は、世界のスタジアムから学ぼうと、現地を視察しています。あれから10年余り、森保監督の背景には新しいサッカースタジアムが完成しつつあります。

森保監督
「超えていますね。私自身が一緒に行かせてもらった人たちと見たスタジアムより、素晴らしいスタジアムができているの。街の宝として、みんなの潤いにつながるものになればいいなと思っています。めちゃめちゃうれしいです」

エディオンスタジアムはアクセス面が課題とされてきました。3万人近く訪れた観客はセレモニーのあと、帰宅のための長い列を作っていました。

新たなスタジアムは街中にあり立地条件の良さが売りですが、森保監督は配慮を忘れませんでした。

森保監督
「近くて通いやすかったって人には遠くなるとおもいますので、そういう方にも引き続き、サンフレやサッカー観戦にきていただければ」

先日、日本サッカー協会の田嶋会長は、新しいスタジアム「エディオン・ピースウイング広島」で代表戦を開催したい意向を示しました。

森保監督
「是非実現していただければうれしい。日本代表も、日本で起こったこと、広島で起ったことを考え、そして世界に発信出来るようにその思いをもって広島で試合が出来るようにと思っている」

新しいサッカースタジアムは、いよいよ12月完成します。

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