ミシマサイコを初収穫 根が生薬の原料 上市高・グリーン分野の3年生

生徒が育て初めて収穫したミシマサイコ。根が生薬になる=上市高

 上市高のグリーン分野の3年生は27日、校内の農場で育てている薬用植物「ミシマサイコ」を初めて収穫した。同校では、2022年から、ミシマサイコの栽培実験に取り組んでおり、生薬となる根が収穫の目安となる2年を経過したため、掘り起こした。

 ミシマサイコはセリ科の多年草。国産はわずかで、ほとんどを輸入に頼る。県内では1983年以降、自生種が確認されておらず、県のレッドデータブックで「絶滅+野生絶滅」に指定されている。

 同校では栽培技術の確立を目指しており、県薬用植物指導センターから提供された種で実験を進めてきた。今回収穫した根は乾燥させ、同センターで品質を調べてもらう。

  ●来年以降、再び実験

 担当の石黒友一教諭によると、今回収穫した根の多くは、夏場が高温だったことも影響し、生薬の原料として売買される太さにまで至っていない可能性がある。来年以降、栽培方法を変え再び実験を行う。

 27日は生徒6人がスコップを使って掘り起こし、根に付いた泥を洗い落とした。一柳優人さん(18)は「初めて収穫できてうれしい。ミシマサイコが多くの人に認知されるようになってほしい」と話した。

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