核保有国委員ら被爆者面会 12月の長崎・賢人会議で 外務省調整

 核兵器のない世界の実現を目指し、政府が12月8、9日に初めて長崎市で開く「国際賢人会議」の第3回会合に合わせ、国内外から参加する委員が長崎の被爆者と面会する方向で調整していることが27日、外務省への取材で分かった。
 委員は白石隆座長(熊本県立大理事長)ら15人で、米国やロシアなどの核保有国と非保有国双方から政治指導者や有識者が加わっている。昨年12月に広島市で開かれた初会合でも委員が被爆者と面会した。
 外務省によると、長崎での面会日程は固まっていないが、2日間の会期中に意見交換の場を設ける方針。委員による長崎原爆資料館(平野町)などの視察も実施したい考えで、同省は「委員が長崎で被爆者の話を聞き、被爆の実相に触れることには意義がある」としている。
 長崎の被爆者4団体の一つ、長崎原爆被災者協議会の田中重光会長(83)は「委員が被爆者と会うならば、被爆の実相や『長崎を最後の被爆地に』という願いに触れ、核抑止論ではなく核兵器廃絶の立場に立った提言を出してほしい」と求めた。

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