サッカー、一時的退場『シンビン』試験的導入へ 採用に否定的な元イングランド代表テリー氏は「審判の一貫性のなさが……」

写真:10分間の一時的退場『シンビン』が試験的に導入されそうだ

国際サッカー評議会(IFAB)が、ラグビーで採用されている一時的退場『シンビン』を試験的に導入する意向を表明した。

イギリスメディア『BBC』によると、『シンビン』が導入される場合には、審判に異議を唱えた選手などが対象となる模様。すでにアマチュアなど草の根レベルでは一部実施されており、イングランドサッカー協会(FA)の報告では、2018-19シーズンから31のリーグで『シンビン』を導入し、審判への異議が約38%減少したという。

導入予定の『シンビン』では、審判に話しかけることをキャプテンのみに認め、それ以外の選手が主審に近づくことを認めない。また、審判への敬意を欠く振る舞いをした選手や監督、スタッフに対して規則をより厳格に適用することも検討される。来年3月のIFAB総会で承認されれば、同年7月に新シーズンの競技規則へと盛り込まれる。

さらに、将来的には『シンビン』によって意図的に相手のチャンスを阻止する戦術的ファウルも規制する可能性もあるという。

IFABの代表であるルーカス・ブルード氏は「我々は、選手たちのリスペクトに欠けた振る舞いがサッカー界の大きな問題であると認識している」と語っており、『シンビン』で審判に対する過度な抗議を抑制することが期待されている。一方、元選手たちの反応はさまざまだ。

かつて“闘将”と称された元イングランド代表DFジョン・テリー氏は「審判の許容範囲や一貫性のなさは毎試合異なっている」と指摘し、『シンビン』導入だけでは問題が解決しないと主張。一方、テリー氏と同時代に代表チームで共闘した元イングランド代表DFジェイミー・キャラガー氏は『シンビン』導入に否定的だったものの、「あまりにも多くの試合が退場によって破壊されている」と、一時的な退場による試合のクオリティ保護に期待を寄せた。

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