新作は藤井聡太八冠が見守る対局 京都・南丹の「かかし作家」

将棋を楽しむ親子のかかしに集う松本さん(右)と近くの子どもたち=南丹市八木町山室

 京都府南丹市八木町山室の「かかし作家」松本千里さん(71)が将棋を楽しむ家族を表現した新作かかしを、自宅のカフェ「かえるのお宿」の畑で展示している。亀岡市で開催されたコンテストで準優勝した作品で、秋の里山を行く人をほっこりさせている。

 松本さんは、2003年からかかし作りに取り組む。今回の作品は亀岡市の「夢コスモス園」のコンテストに5年ぶりに出展し、将棋の藤井聡太八冠が笑顔で見守る中、祖父と孫が対戦するほのぼのとした様子を形にした。

 祖父の熟考も及ばず、孫が勝利を決め、万歳で喜ぶ。松本さんは「おじいちゃんは孫に負けて、苦々しい表情ですが、心の中では孫の成長を喜んでいる。そんな風情にほっこりしてほしい」と笑う。材料となる綿は、地域から寄せられた古い布団を再利用した。

 道路からも眺めることができ、八木東小1年戸田風花さん(6)は「おじいちゃんが考えているところが上手」と見とれていた。

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