ベビーカーでバス移動、周囲の温かい助けに「胸がいっぱい」 子育て体験談最優秀賞

子育て中に体験した心温まるエピソードを基に制作されたアニメ。京都サンガFCの試合で上映された(10月21日、亀岡市・サンガスタジアム京セラ)=府提供

 子育て中に体験した心温まるエピソードを募る「みんなで子育てグッドプラクティスコンテスト」の優秀作品が決まった。周囲から助けや励ましを受けた事例や喜びの声が集まった。

 コンテストは、京都府や経済団体などでつくる子育て環境日本一推進会議が初めて企画し、7~8月に募集した。府内を中心に290件の応募があった。

 最優秀賞作品には、1歳の子どもとバスに乗ろうとしたところ、居合わせた女性がベビーカーをたたむのを手伝ってくれたエピソードが選ばれた。降車後にベビーカーを組み立てようとした時に別の女性から「お子さん、見ておくよ」と言ってもらったといい、応募者は「初めての子どもとのバス移動で、他の方に迷惑をかけないか不安な気持ちでいっぱいでしたが、思いがけない周りの方々の優しさに触れ、胸がいっぱいになった」と記した。

 優秀賞は5点。スーパーで子どもが泣いて大変な時に通りすがりの家族が代わりに抱っこしてあやしてくれたとの内容や、子どもが熱を出したが職場の病院でなかなか早退したいと言い出せなかった女性看護師が、先輩から「患者さんには何人も看護師がいるけど、娘さんにとってはお母さんはあなた1人。すぐに帰ってあげなさい」と声をかけられた体験などが選ばれた。

 最優秀賞と優秀賞はアニメ化して、府公式ユーチューブチャンネルや府内の主要駅など14カ所に設置したデジタルサイネージなどで放映する。10月には、亀岡市・サンガスタジアム京セラであったサッカーJ1の京都サンガFCの試合でも流した。推進会議の事務局を務める府こども・青少年総合対策室は「動画を見て優しさの連鎖が広がり、府内が子育てに優しい雰囲気に包まれれば」と期待している。

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