お金が貯まらない人が見直したい「日常習慣」金銭的不安が徐々になくなる!

教育費や老後など、家族のライフイベント資金について準備をしていきたいと考えている人は多いのではないでしょうか。

本やインターネット、セミナーなどすでに情報収集されているかもしれませんが、自分に合ったお金の増やし方はどのように情報を組み合わせるかがコツになってきます。

日常生活ですぐにでも行動できる知識として、ご自身に当てはめて頂きながら読んで頂けたらと思います。

資金作りを“邪魔”する者たちを知っておく

お金についての判断をする際の心理的な罠は私たちの内面に潜んでいます。

誰しもが持っている色々なバイアスがあることを知っておくことで自分の対処法を身につける事ができるかもしれません。

一例として下記のようなものがあります。

お金が貯まらない人が克服したい2つの視点

『現状維持バイアス』

これは、「変化によって何かを失う危険を避けたい、知らないものより知っている方のものを好む。たとえ知らないものの方が優れているとしても現状のものを好む」という心理で日本人には多いそうです。

何かを保有すると、その価値を本来の価値よりも高く見積もり、手放す事に抵抗感を感じます。これは失敗したくないという心理が働くためです。

現在自分が保有しているものに高い価値を感じてしまう認知のバイアスもあり、これを「保有効果」と言います。たとえば株を買ったときよりも、高い値段で売ろうと考えてしまう心理などがそれにあたります。

いずれも心理的作用であり、誰しもが持っていますので悲観的になる必要はありませんが、新しく何かを導入する時はこのようなバイアスがあることを知った上で、専門的知識を取り入れること(専門家に相談し、データ比較などで変化によるメリットを知ること)、少額から始めてみるなどで現状維持バイアスが克服できます。

新しいものがより良い機能を持っていたとしたら、現状維持バイアスによって受け入れないでいると将来的に損を招いてしまいます。

預貯金は比較的短期間に使う可能性のあるお金の置き場所と考え、中長期的には積立投資を始めるなど自身の状況に合わせて使い分けましょう。

『メンタルアカウンティング:心の会計』

普段は1円でも安い品物を一生懸命に探すのに大きな買い物をするときは1万円程度の差は気にせず買ってしまうなど、皆さんにもこのような経験をされたことはあるのではないでしょうか?

同じ金銭価値なのに、状況によって価値の感じ方が変わってしまう。また新たに購入したモノによって新たな価値を得た時、その価値に合わせて、身の回りのものを一新したくなる行動心理を「ディドロ効果」といい、自身の持ち物全体の一貫性や調和を保ちたいという欲求からこの心理が生じます。

ですが、欲求の赴くままにお金を使ってしまうとお金はあっという間に無くなってしまいます。

「それが欲しいかどうか」ではなく、「本当に必要なのか」という視点が大切です。

お金を増やすために大事な「SMARTモデル」とは?

さて、「ほんとに必要?」と考えて、あえて節約という言い方ではなく、必要なものだけ購入することができるようになると、いくらずつ貯蓄や投資に回すことが出来るか、その割合をご自身で把握することができるようになってきます。

あとはゴールと現在地をしっかり把握し、そのギャップを計画通りに進めていきましょう。

「目的」は「的(まと)」、つまり最終的に達成されるべきゴールであり、 「目標」は「標(しるべ)」、その目的の中継地点といえます。 「目的」は「抽象的」なもので、「目標」とは「具体的」なものです。

効果的な目標設定の手法に「SMARTモデル 」というものがあります。

Specific(具体的な、特定された):具体的にイメージできる
Measurable(測定可能な):達成度合いを判断するのが容易である
Achievable(達成可能な):現実的に達成できる
Related(関連性のある):真の欲求や願望の実現につながる
Time-bound(期限がある):いつまでに達成するかが決まっている

SMARTモデルを参考に理想的な将来、最低限必要なトータルのお金を算出してみましょう。

例えば、子どもの大学教育資金400万円を目標額(私立文系目安)とします。

児童手当現行の制度であれば、中学卒業までに1人約200万円が貯まります。さらに毎月1万円を0歳から積み立てれば、18年間で216万円。

これを合算すれば、目標額はクリアとなります。つまり、0歳から貯めれば「児童手当+月1万円」で目標達成です。

またセカンドライフ資金の場合、60歳で3000万というゴールを設定したとすると、現在の年齢から10年後なのか20年後なのか、残りの年数で月々積み立てる金額や金融商品の運用利回りなど何が最適なのかを、だいたいしぼりこむことができます。

ゴールを明確にした後は、『現在地:今ある預貯金や収入』をしっかり把握します。今の家計の中身を理想的な配分に見直す必要があるかもしれません。

理想的な配分は収入の2割を貯蓄に回したいものです。設定したゴールの到達が無理となれば、ゴールの設定を考え直す必要もあるでしょう。

積立可能な金額を算出し、ゴールを再設定し、それを目指せばいいのです。

他にも家族で海外旅行などに行くためのお金など、あなたが送りたい人生のイメージをもとに算出してみましょう。

大切な事は目的を持った資産運用、つまりゴールを明確にすることです。

「お金に働いてもらう」という視点も大切

ゴールを明確にしたら、家計の収支について定期的にチェックと必要であれば見直しを行うことが大切です。

また平行して収入を増やすということについて検討するのも良いでしょう。

例えば、収入アップのための資格取得。資格を取るためにはそれなりの費用と時間がかかりますが、それは将来の自分のための「投資」であり、収入アップにつながる可能性が高いのであれば、ぜひ積極的に取り組んでほしいです。

また、本業に差支えがない範囲で副業をおこなうことも当然収入アップにつながります。

別視点としては、「お金に働いてもらうこと」を意識的に取り入れてみましょう。

中長期的に貯めるお金であれば、定期預金より積立NISAなどを利用する方が資産形成効果が高い可能性があります。

この様にお金の置き場所によって、お金が良い仕事をしてくれるケースがあるので、不安なことはファイナンシャルプランナーに相談しながら積立投資などの資産運用にチャレンジしていくのもおすすめです。

ゴールへの意識をしっかり持ち、定期的に我が家の総資産や収支チェックを行って毎年少しでも黒字になっていれば、様々なライフイベントにおける金銭的不安は徐々に安心へと変わっていきます。

今からできることを少しずつ実行していけると良いですね。

執筆者プロフィール

今村 恵子(いまむら けいこ)

キッズ・マネー・ステーション認定講師 / ファイナンシャルプランナー 金融業界に勤めた経験を活かし、子どもたちが、お金について楽しく学べる講座の開催や、主に 20 代~30 代層の働くママ・これから結婚出産を考えている方をメインにライフプラン・キャリアプラン、家計のカウンセリング・個別相談業務を行っている。小学生2人のママ。

(ハピママ*/ キッズ・マネー・ステーション)

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