タイガーマスク「伊達直人」さん、初のCFで資金募る理由とは 児童の安全願う横断旗を作り寄贈へ 兵庫

「伊達直人」さんによる初のクラウドファンディングを告知するチラシ=赤穂市役所

 漫画「タイガーマスク」主人公の伊達直人を名乗り、長年姫路・西播磨の児童養護施設にケーキなどを贈り続ける兵庫県内在住の男性が初めて、クラウドファンディング(CF)で資金を募っている。児童の交通安全を願い昨年、西播磨の市町に千本以上の横断旗を寄贈し来年にも追加で贈る予定だったが、自身の闘病生活で資金に余裕がなくなったという。男性は「皆さんの力を借りて、最後に一踏ん張りしたい」と意気込む。(小谷千穂)

 男性が奉仕活動を始めてから来年で40年。毎年、児童養護施設6カ所にケーキやランドセルを贈ったり、音楽演奏の出演者費用を工面したりしてきた。数年前に大病を患い入退院を繰り返しながらも、子どもたちから激励の寄せ書きが届くなど交流が続いている。

 2021年6月に千葉県八街市で下校中の児童5人がトラックにはねられて死傷した事故を受け、男性は昨年3月、西播磨4市3町に横断旗計1200本を贈呈した。黄色地に赤い文字で「横断中」と書かれた旗で、通学中の児童の安全だけでなく地域の防犯対策にも役立っているという。

 今回、過去に約30件のCFをサポートした経験のある赤穂市の戦略プロデューサー西村淳一さん(68)が「伊達さんの最後の大仕事に力添えできれば」と協力を快諾。まずは横断旗千本の追加作成を目指し、目標額は50万円に定めた。

 超えた場合は姫路市や神崎郡3町にも支援を広げるという。寄付は3千円~3万円の8コース。コースによっては、タイガーマスクのオリジナルイラストが描かれたポストカードなどの返礼品がある。

 男性は「何の罪もない子どもたちが交通事故で悲しい思いをしないように、できることをしたい」と協力を呼びかける。寄付はCFサイト「READYFOR(レディーフォー)」から。西村さんへの直接手渡しや銀行振り込みも可。1月10日まで。西村さんTEL080.1472.8041

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