新規参入の福井ブローウィンズが快進撃 指揮官に聞く強さの秘密 B3序盤でリーグ最多13勝、首位

豊田合成戦に勝利して6連勝を飾り、喜び合う福井ブローウィンズの選手たち=11月26日、福井県の越前市アイシンスポーツアリーナ

 バスケットボール男子Bリーグ3部(B3)に新規参入した福井ブローウィンズが快進撃を続けている。シーズン序盤の第8節を終えてリーグ最多13勝(3敗)で18チーム中、首位に立つ。選手全12人が一丸となって戦い、指揮官が目指す「チームバスケット」を体現している。

 チーム最高記録を更新する6連勝を達成した11月26日の豊田合成戦。福井は94得点のうち、外国籍選手3人が69%に当たる65得点を記録した。トレイ・ボイドは緩急あるドリブルと内外からの正確なシュートで最多39点。ペリー・エリスが16点、ベンジャミン・ローソンが10点だった。3人で計26リバウンドと空中戦も圧倒した。

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 伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は3人を「B3でトップレベル」と評価。その言葉通り、ボイドは1試合平均24.20点でリーグ2位、ローソンはブロックショットで1試合平均1.93とリーグ3位につける。指揮官が「外国籍選手を中心に戦う」と開幕前に描いた構想通り、ここまで攻守でチームをけん引する。

 ただ外国籍選手頼りという訳ではない。伊佐HCは「12人全員が必要な選手だ」と強調。頻繁な交代で全選手が出場時間を分け合い、攻守ともプレーの強度を保つことを目指している。

 守備では細谷将司、渡辺竜之佑、満田丈太郎らが相手ガード陣に重圧をかけ続けて消耗させ、終盤に相手の攻撃の精度を狂わせる。

 攻撃でも「人とボールを動かすことを求めている」(伊佐HC)と足は止まらない。素早いパス回しや、ボールを持たない選手が相手に体を寄せて動きを制限させるスクリーンをかけるなど、全員で守備陣を崩して決定機を演出。ボイドは「チームメートが自分を生かす動きをしてくれる」と感謝する。主将の満田も「誰でも点を取れる力があり、自分たちはチームバスケットを意識している」と連携面での強みを語る。

 リーグ52試合のうち3割を消化し、中盤戦へ入る。次節の12月2、3日はホームで立川(7位)、その後は横浜(5位)、香川(4位)と上位との対戦が続くが、伊佐HCは「上位も下位もあまり関係ない。勢いに乗ったらどのチームもどの選手もすごくタフに戦ってくる」と冷静だ。「相手がどうこうではなく、練習で準備してきたことを一つずつ積み重ねたい」と一戦必勝を誓う。

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