「北陸新幹線延伸で輝く福井の未来」をテーマとした日経地方創生フォーラムin福井(福井新聞社共催)が11月27日、福井県福井市のフェニックス・プラザで開かれた。オンラインを含め約1300人が聴講。新幹線による交流人口の拡大を見据え、スポーツを生かした地域振興、経済の活性化などで県内外の識者が講演やパネル討論を繰り広げ、持続可能なまちづくりを考えた。
バスケットボール男子Bリーグ3部(B3)に今季参入した福井ブローウィンズの湯本眞士代表取締役や、Bリーグの島田慎二チェアマンらは、地域の魅力づくりにチームが果たす役割で意見を交わした。
湯本氏は「現在はB3でトップレベルの集客ができている。この状況を続けることで福井が変わり、若い人たちも元気になる」と強調。新幹線延伸ではスポーツツーリズムの誘客も期待され、島田氏はチームの拠点となるアリーナ建設の動きに触れ「バスケだけでなくコンサートなども行え、(来場者の)宿泊も期待できる」と話した。
米大リーグ・レッドソックスの吉田正尚外野手=福井市出身=のトークセッションもあり、県内でのスポーツを生かしたまちづくりに「いいものをみんなでつくり上げてほしい」と期待した。
⇒【福井新聞単独インタビュー】吉田正尚選手「チャンピオンリングが欲しい」
JR西日本の漆原健金沢支社長は「北陸新幹線敦賀開業効果の最大化」と題して講演。「大切なのは地元の盛り上がりが全国や海外に発信されること」と指摘し、「地域の全ての人が開業を喜び、来訪者を歓迎することで効果は最大化される。その成功が大阪延伸につながる」と呼びかけた。
地域経済の活性化に関するパネル討論では、フクビ化学工業(福井市)の八木誠一郎社長が「福井はリアルでものをつくっていることが強み」として、ものづくりや伝統工芸を活用してビジネス客を呼び込みたいと意気込んだ。福井銀行(同)の長谷川英一頭取は、スポーツ・文化イベントへの県民参加が重要だと指摘。「地域を良くしたいという能動的な心意気が人口流出の抑制、Uターンにつながる」と語った。
鷲頭美央副知事らも登壇し、ウェルビーイング(心身の健康や幸福)や子育て環境の充実の必要性を訴えた。
フォーラムは日本経済新聞社が2015年から全国で展開している。