オワードとローゼンクビストが“強豪”ユナイテッドASと契約。デイトナ24時間に参戦へ

 来季2024年、WEC世界耐久選手権のLMP2カテゴリー廃止を受けてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に主戦場を移すユナイテッド・オートスポーツは、北米シリーズの開幕ラウンドであるデイトナ24時間レースのラインアップを強化するため、NTTインディカー・シリーズのスタードライバーであるパト・オワードとフェリックス・ローゼンクビストと契約を結んだ。

 ふたりのインディカードライバーは、それぞれユナイテッド・オートスポーツが走らせる2台のオレカ07ギブソンを操縦することとなり、オワードはベン・キーティング、ベン・ハンリー、ニコ・ピノとともに2号車をシェアする。

 一方のローゼンクビストは、ダニエル・ゴールドバーグ、プジョーワークスの“エース”であるポール・ディ・レスタ、そして以前は佐藤万璃音が入っていた空きスロットを埋める4人めのドライバーと22号車オレカのコクピットを共有する予定だ。

 どちらのドライバーも過去数年以内にプロトタイプマシンでデイトナを戦った経験があり、オワードはすでにふたつのカテゴリーでクラス優勝を果たしている。最初の優勝はパフォーマンス・テック・モータースポーツからプロトタイプ・チャレンジ(PC)クラスに参戦した2017年のキャンペーンで、ジェームズ・フレンチ、カイル・マッソン、ニコラス・ブールとともにデイトナで優勝し、その後のクラス7連勝のきっかけとなった。

 2度目は2022年。彼は同じインディーカーのスターであるコルトン・ハートとデブリン・デフランセスコとともにLMP2クラスのドラゴンスピード・オレカを操り、ふたたび表彰台の頂点に立った。

「我々はパト(・オワード)をユナイテッド・オートスポーツのマシンに乗せたいとずっと考えてきた」と語るのは、ユナイテッド・オートスポーツのCEOであるリチャード・ディーン。

「何度か失敗を繰り返したが、私たちはついに彼を迎えることができた。パトはデイトナでのレースウイナーとしての経験を持ち、彼がドライブするすべてのマシンがとにかく速いんだ!」

「このキャンペーンを実現するために手助けしてくれたアロウ・マクラーレン・インディカー・チームのみんなに感謝したい」

2017年のデイトナ24時間レースでPCクラス優勝を飾った、パフォーマンス・テック・モータースポーツの38号車オレカFLM09

 2021年から2023年までアロウ・マクラーレンでオワードのチームメイトだったローゼンクビストは、来年からメイヤー・シャンク・レーシング(MSR)に移籍する予定だ。彼は優勝経験はないもののIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップの開幕戦に過去2度出場している。

 2016年、ローゼンクビストはスターワークス・モータースポーツからPCクラスに参戦。オレカFLM09をドライブした。また2018年にはロビン・フラインス、ダニエル・ジュンカデラ、ランス・ストロールと、当時トップカテゴリーだったプロトタイプ(P)クラスにエントリーしていたジャッキー・チェンDCR JOTAのオレカ07を共有した。

 彼のキャリアの中でシングルシーターレース以外のものを挙げると、2017年のル・マン24時間レースをはじめ、DTMドイツ・ツーリングカー選手権、IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジ、ADAC GTマスターズ、ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパなどがある。

「スポーツカーレースに戻ってくることができて、とても興奮している」とローゼンクビストは語った。

「以前スポーツカーレースに出てから5年が経った。昔はよくやっていたんだ。でも、最近はインディーカーのキャリアに集中しているから、一時中断していたんだ」

「大好きなことだし、ユナイテッド・オートスポーツでレースをするのは本当にクールだ。このチームはこれまでに多くのLMP2レースで優勝しているから、彼らはうまくやってくれるという期待を持って参加する。それは僕の目標とマッチするものだ!」

フェリックス・ローゼンクビスト、ロビン・フラインス、ダニエル・ジュンカデラ、ランス・ストロールがドライブした、ジャッキー・チェン・DCR JOTAのオレカ07・ギブソン
パト・オワードは2022年のデイトナ24時間レースで自身2度めの優勝を果たした

© 株式会社三栄