講師委託料113万円を不正受給 尾花沢総合スポーツク、返還方針

 尾花沢市から小学校の体育の授業への講師派遣などを受託しているNPO法人「尾花沢総合スポーツクラブ」が、5年半の間に、講師派遣の委託料など計113万円を不正に受給していたと1日、市が明らかにした。悪天候のため屋外授業の準備後、中止になったケースや、そもそも講師を派遣していない事例もあったという。同クラブは市の請求に応じ、全額返還する方針。

 市によると、同クラブは水泳やクロスカントリースキーの授業で、講師派遣による指導の他、会場整備、道具運搬などを2015年度から受託している。市は指導と準備の全てを合わせて一括委託しており、冬季のクロスカントリースキーの場合、1回の授業で約1万6千円を支払う契約になっていた。

 今年9月上旬、同クラブの活動の実績報告書を市の担当者が確認していたところ、活動実態と異なり、講師が派遣されていることになっていた。過去の報告書など、記録が残る範囲で市が調査した結果、同クラブは少なくとも18年度から講師派遣の実態がない授業などでも請求し、委託料を受給していたことが判明。特に22年度は、計45回のクロスカントリースキーの授業全てで会場整備のみを行い、指導と道具運搬の実態がなかった。

 市は同クラブの男性マネジャーが委託当初から関わり、契約内容を熟知していたにもかかわらず、過大に請求していることから、委託料の不正受給に当たると判断。今年9月上旬、クラブ側に指摘した。一方、双方の共通認識が不十分だった面もあり、返還の意思を示していることなどから、刑事告訴しない方針。再発防止策を講じ、委託を継続するとしている。

 同クラブは1日、市体育館で記者会見を開き、男性マネジャーは「受託業務のうち一つでも実施すれば請求できると誤った解釈をしていた」と釈明。講師を派遣しなかった理由については「過密日程で人繰りがつかなかったため」と説明した。

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