寒風生かし新名物 日光市三依地区で塩引き鱒の生産

日光市の山奥で新たな名物を作ろうと、この冷たい風が吹く時期ならではの魚料理の生産が佳境を迎えています。

関東一水質が良いと言われる日光市三依地区を流れる男鹿川。その源流にある管理釣り場です。午前10時半の気温は手元の温度計で、わずか3度。11月いっぱいで営業を終えた施設の軒先に吊るされていたのは、鮭ではなく、虹鱒です。大きいものでは60センチ3キロ以上、2年から4年育てた70匹がずらりと並びます。

この施設では、年間1万匹ほどの虹鱒を養殖していて、きれいな水と冬場の冷たい風を生かして新たな名物を作りたいと、新潟県に伝わる伝統料理・塩引き鮭からヒントを得て「塩引き鱒」の生産を2年前から開始。施設を経営する塩生康幸さんと去年までこの地区で地域おこし協力隊として活動し、そのまま移住したさいたま市出身の田邊宜久さんが試行錯誤を繰り返し、今年ようやく本格的な生産にこぎつけました。

1週間ほど塩漬けし、余分な塩分を落とした後、3日間ほど干した虹鱒は、熟成が進み、うま味がぎっしり。冬場に、最高気温が二桁に届かないこの場所ならではの気候が手伝って本場の塩引き鮭に負けないくらいの味に仕上がったといいます。塩引き鱒は、この後、施設のホームページなどで販売し、来年以降は、増産する予定です。

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