愛媛Lが大体大に2発快勝、高校2冠の藤枝順心は辻澤亜唯のハットでなでしこ1部優勝のオルカに劇的勝利【皇后杯】

[写真:©超ワールドサッカー]

2日、第45回皇后杯3回戦の2試合が福井県の日東シンコースタジアム丸岡サッカー場で行われ、愛媛FCレディースと藤枝順心高校が4回戦進出を決めた。

第1試合は関西地区第1代表の大阪体育大学と、なでしこリーグ1部の愛媛FCレディースが対戦。序盤は、2回戦のバニーズ群馬FCホワイトスターに続くなでしこリーグ勢撃破を目論む、大体大が圧力をかけ、セットプレーや赤尾侑里の左足ミドルシュートを含めて好機を作る。

一方の愛媛は立ち位置を変えるなどして徐々に対応。すると37分、桜井由衣香が右サイドから上げたクロスに久保田晴香が右足ボレーで合わせてネットを揺らし、愛媛Lがリードを奪って前半を終えた。

後半も先に好機を作ったのは大体大だが、矢野梨紗の思い切った中距離砲はクロスバー、平岩依々菜のシュートも右ポストを叩く。冷や汗をかいた愛媛Lは交代策を駆使し、再び持ち味のパスサッカーを展開すると、途中出場の大宮央が左足でニアを抜き、76分に追加点を奪取。リードを広げた愛媛がそのまま逃げ切り、クラブ最高成績更新となる4回戦進出を決めた。

第2試合では今季のなでしこ1部で優勝したオルカ鴨川FCと、高校女子2冠、昨季の全日本高等学校女子サッカー選手権大会と今夏の全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会(インターハイ)を制している藤枝順心高校が顔を合わせた。

試合はキックオフ直後から強度高くゲームに入った藤枝順心が早々に動かす。藤原凛音の思い切り良いミドルシュートからファーストプレーで左CKを獲得すると、下吉優衣のキックにファーで辻澤亜唯が合わせ、開始1分で先手を取った。

さらに8分には、右サイドの深い位置へ抜け出した久保田真生がマイナスにグラウンダーで折り返し、再び辻澤。左足でのタップインゴールを流し込み、瞬く間にリードを広げる。

藤枝順心の圧に面を食らったオルカは、31分という早いタイミングでボランチの1枚交代し、古舘知都と変わって並木千夏が早速のミドルで流れを引き寄せる。2列目の並びも右でスタートの河野有希を左、中央に浦島里紗、右に近藤彩優子と配置を変えると43分、右からのクロスのこぼれ球を拾った河野が巧みに流し込み、1点を返して前半を終える。

オルカはハーフタイムに近藤に変わってキック精度の高い松尾美月を右に置くと、その松尾のクロスから同点弾。ニアで河野が潰れ役となり、中央でフリーとなったなでしこ1部の今季最優秀選手、鈴木陽が押し込んだ。

以降は互いの良さがぶつかり、藤枝順心は追い付かれながらも億することなくボールをつなげば、オルカもサイドの裏を使った攻撃で見せる互角の展開に。80分のオルカは相手のパスミスから鈴木が狙うもGKの守備範囲となり、藤枝順心も86分、下吉のFKがバーに嫌われる。

延長戦も見え始めた最終盤だが、決着の一撃を沈めたのは藤枝順心だった。後半のアディショナルタイムに辻澤が三度ネットを揺らすと、直後にタイムアップのホイッスル。辻澤のハットトリックで劇的な勝利を挙げた藤枝順心が、次のステージへ駒を進めた。

◆皇后杯3回戦
12月2日
大阪体育大学 0-2 愛媛FCレディース
オルカ鴨川FC 2-3 藤枝順心高校

12月3日
ヴィアマテラス宮崎 vs 東洋大学
ASハリマアルビオン vs スペランツァ大阪
伊賀FCくノ一三重 vs 福岡J・アンクラス
日体大SMG横浜 vs 帝京平成大学
スフィーダ世田谷FC vs 日テレ・東京ヴェルディメニーナ
ニッパツ横浜FCシーガルズ vs 大和シルフィード

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